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道のコラム

「みち」という字は、道、路、途、径、隧、陌、迪、衢、衟、衜、術、衑、涂、廸、噵……
このように形を表す文字も実に多様です。それだけ「みち」は人間に生活や営みの仕事に関わって、人と密接に長らえている事がわかります。
一方では心の在り方などにも人の「みち」を歩け、「みち」をはずした生き方をするな!等々、多彩に用いられていることに気づきます。
人生はまさに大きな道、交差点です。
いろいろな世界の人が集まり交わり、そして各々の生き方それぞれの目的の道へとまた散じて行きます。
全国の自治体から寄せられた1000の道は、長い歴史の中にモノと人が行き交い、そして文明、文化を築く礎となって今もなお姿・形は変わったけれど、従来の根をしっかり残してくれています。
しかし乍ら、多くの人が道に物語があることについて余り知らない、また気づいていないように思われます。
新日本歩く道紀行1000の道をここに紹介し、「道物語」の旅を初めて欲しい。振り返って欲しい。そして更に生きる力に変えて欲しい。
そして歩くことで観えてくる日本の大きな道遺産を感じていただきたいと願っています。今までにない日本の顔がきっと観えてくると思います。
そこに新日本歩く道紀行の存在価値があります。

万葉集の「道」

雁部貞夫(歌人)

「みち」とは、元来、「神の」の意の強い敬意を表す接頭語「み」と、道の意の古い形である「ち」との複合語。
通路は神の支配下にあるものと考えられていたことによる、と古語辞典では説明する。
このような意識が人々の間にまだ残っていた万葉時代に、すでに多くの「道」が歌われている。次の歌はその代表作。

信濃路(しなぬぢ)は 今(いま)の墾道(はりみち) 刈株(かりばね)に 足(あし)踏(ふ)ましむな 履(くつ)著(は)け我(わ)が夫(せ) 【巻十四】東歌

信濃の国の歌。多分、奈良の都から信濃へ通ずる官道が出来た頃の歌だろう。
街道が出来たばかりなので、切り株などがあって危ないから、今日ばかりは履をはいて出かけて下さい、わが夫よ、と愛する夫に呼びかけた妻の可憐な歌だ。
歌のプロが詠んだ作ではなく、素朴な地方色と生活感の表れた愛誦すべき作品である。

●かりべ さだお 一九三八年生まれ。「新アララギ」代表。日本歌人クラブ中央幹事。

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今後、以下の3つのテーマで道のコラムを更新していきます。ご期待ください。

モノを綴る

(商いの歴史を紐解く)

健やかな生き方を綴る

(人はいかに生きてきたかを伝える)

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