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どこからでも姫路城が楽しめる、城郭ファンにはたまらない道

世界文化遺産・国宝 姫路城 散策のみち

白亜の世界遺産、姫路城。白く優美な姿は白鷺が舞う姿にも例えられ「白鷺城(はくろじょう)」の愛称で親しまれており、県を代表する観光名所である。黒田重隆の居城を羽柴秀吉が改修したのが天正8年(1580年)。関ヶ原の戦い後、池田輝政が入り大改修を行い、さらにその後、本田忠政が入城して西の丸などを増築し現在の姿にした。平成5年(1993年)には日本で初めて世界文化遺産に登録された。

白亜の世界遺産、姫路城の写真白亜の世界遺産、姫路城
JR姫路駅から真正面に見える姫路城の写真JR姫路駅から真正面に見える姫路城
“道100選”のプレートの写真“道100選”のプレート

築城以来一度も戦火に見舞われることなく、当時の姿が今に残る姫路城。市街地が焼け野原になった昭和30年(1955年)の姫路空襲の中も、姫路城だけは奇跡的に無傷で残った。それはなぜか。「姫路城史」(橋本政次著)などによると、姫路城は白漆喰(しっくい)で塗られた天守閣が敵機の目標になるとして、白壁部分をペンキで塗る案などが検討され、最終的にコールタールで染めたわらの網で天守閣を覆うことが決まった。その他の櫓や土塀なども擬装網で覆われ、屋根瓦の目地なども着色された。姫路大空襲に加わったB29の機長アーサー・トームズ氏は「私は城があることすら知らなかった。上官から城について何の指示もなかった」と語っている。擬装したことが奏功したかは不明だが、城がある地帯は的レーダーに池か湖と認識され、戦火を免れたという逸話が残っている。

そんな奇跡の姫路城をどこからでも楽しめるのが「世界文化遺産・国宝 姫路城 散策のみち」である。最初のビューポイントは、道の始まり、JR姫路駅。北に出れば目の前に姫路城が見える。そこから、JR姫路駅北口を出てすぐの階段から2階に上がってみよう。「大手前通り」をまっすぐに見下ろし、真正面に姫路城を一望することができる。

再び1階へ下り「大手前通り」を歩き出すと、すぐに“道100選”のプレートが登場する。実はこのプレートは新しく設置されたものであり、以前のものは平成25年(2013年)の駅前再整備に伴い一時撤去したまま処分したとみられている。非常に小さなプレートなので、見逃さないよう気をつけて歩きたい。

「イーグレひめじ」からの眺望の写真1「イーグレひめじ」からの眺望
「イーグレひめじ」からの眺望の写真2「イーグレひめじ」からの眺望
城見台公園の写真城見台公園

続いてのビューポイントは「みゆき通り」の終着地にある「イーグレひめじ」。屋上(5階)が展望台となっており、天守閣を含む姫路城全体を眺望できる。

姫路城は天守群の美しさ、石垣や櫓に施された複雑な縄張りなど困るくらい見どころが多い。ゆっくりと姫路城を観光したいということであれば、2時間はみておこう。

次なるビューポイントは、城見台公園。公園入口すぐに原寸大の鯱瓦が鎮座しており、鯱の間から顔をのぞかせる姫路城を見ることができる。

兵庫県立博物館の写真兵庫県立博物館
シロトピア記念公園の写真シロトピア記念公園
石段の写真石段

さらに足をのばし、兵庫県立博物館へ。ここは知る人ぞ知る粋なビューポイント。世界的に有名な丹下健三氏設計の博物館の外壁ガラス窓の前に小さな丘がある。そこからガラスいっぱいに姫路城が映って見える。

シロトピア記念公園を抜け、細い道に入ると観光客はだいぶ少なくなる。住宅地内にある「水尾神社」「千姫天満宮」の手前に石段に入る道があり、石段を上がると、姫路城が姫路市街、黒田官兵衛ゆかりの山「甲山」とともに眼前に展開する。ただしこの石段、198段あるため、上る勇気と体力が必要だ。

姫路おでんの写真姫路おでん
姫路おでん発祥の店「かどや食堂」の写真姫路おでん発祥の店「かどや食堂」
姫路市観光案内所の写真姫路市観光案内所

さて、旅の醍醐味といえば観光だけではない。食もまた醍醐味の一つ。姫路ならではの食は生姜醤油で食べる姫路おでん。名古山霊園から南へくだったところにある「かどや食堂」は姫路おでん発祥の店と言われている。いまでも会計時にそろばんで計算するかどや食堂の名物主人。昭和14年の創業当初より甘く濃く煮込まれた関東煮(かんとうだき)の上から生姜醤油をかけるスタイルを提供している。姫路おでんは、食文化としては庶民的で、世界文化遺産・姫路城を擁する姫路の名物としてはふさわしくないのでは、という声もあったようだが、姫路おでん普及委員会会長、前川裕司氏は、「オンリーワンであること」「いつでも食べられること」をモットーとし、姫路おでんを通じて食での町おこしを成功させた。JR姫路駅北口にある姫路市観光案内所へ立ち寄り「姫路おでんガイドマップ」を手に入れるのがすすめ。姫路おでんが食べられる食事処が記載されている。

高低差のある道のため、こまめに休憩を取りながら、時に姫路おでんを食べながら、存分に姫路城を楽しんでもらいたい。

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