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猫ちゃん
しのだひろえの歩っとタイム Vol.74

体感せよ!動物として人間として。元祖山手七福神(後編)~開運七福神めぐり~

背筋を伸ばしたくなるような寺から始まった元祖山手七福神。前編では恵比寿神の瀧泉寺までを歩いた。後半も見どころばかり。さぁ急坂の行人坂を元気にのぼっていこう。

金・金・金

大黒天の大圓寺の写真

瀧泉寺を後にして向かうは大黒天の大圓寺。ここは雅叙園をすぎたすぐ、行人坂にある寺である。行人坂というこの坂の名前も大圓寺にまつわるものだそうだ。

中に入ると、目の前は大黒様、左手に何千体もの仏像、本堂の横に金の薬師如来像と、コンパクトながら、なかなかにインパクトのある濃い寺だ。

薬師如来像の写真

見よ!このピカピカに輝く金の薬師如来像

薬師如来像の写真2

なぜ薬師如来像が金ピカかというと、健康になりたい部分に願いを込めながら金箔をはると願いが叶うのだそうで、金箔は3枚500円で購入できる。

病気治癒や健康祈願のためにとなると、まずは頭か顔にはりたくなるもの。あとは年代によっては足か、ポッコリお腹をへこませる願いを込めたお腹か、四十肩・五十肩治癒のための肩か。中年以降になると貼りたい場所も3枚では足りなくなるかもしれない。

目黒から白金台へ

金箔をはってすっかりテンションがあがったところで足取りも軽やかに目黒駅を通りすぎ福禄寿・寿老人の妙圓寺に向かう。この辺りからは平地で歩きやすい。

左手に国立科学博物館附属 自然教育園を見ながら右手をみれば妙圓寺である。ちょっと奥まったところにあるから、通り過ぎそう、注意。

坂をくだり本堂むかって右手に福禄寿・寿老人。ご開帳時にはかわいらしい福禄寿・寿老人の人形が売られてもいる。にこやかでかわいらしいんだな、これが。

布袋尊の瑞聖寺の写真

さて次は布袋尊の瑞聖寺へ。本堂はまるで京都か、はたまた異国を旅行しているのではないかという大きさと存在感。これは視覚的なものだけではなく、高い天井や大きな柱から感じる広さや奥行きという体感的なもの。写真や動画では感じえない感覚だ。

余談だが、横の庫裏も隈研吾氏設計によるものだそうで、シンプルで美しい建築の美しさを楽しみたい寺でもある。

毘沙門天の覚林寺の写真

瑞聖寺をあとにして向かうは最後の毘沙門天の覚林寺。一心不乱にまっすぐ歩くのみ!
途中、八芳園やシェラトン都ホテル東京を通りすぎ、角を曲がれば覚林寺である。ここも特徴的な寺で、清正公さまとも呼ばれるそうだ。勝負祈願の寺で本堂の扁額には「破魔軍」。
確固たる信念と、覚悟を決めよ!といわんばかりの力強さを感じる。

最後に今回めぐったルートをご紹介しよう。銭洗いや金箔はりという体感型エンターテイメントもあり、東京という起伏を楽しむことができるナイスなルートだ。

弁財天(蟠竜寺)→恵比寿(瀧泉寺)→大黒天(大圓寺)→福禄寿・寿老人(妙圓寺)→布袋尊(瑞聖寺)→毘沙門天(覚林寺)

地図

体感せよ!動物として人間として。

写真やオンラインで、その街や景色を楽しむことはできる。しかし動物として感性を保つに必要なのは「体感」だと私は思う。どれだけ大きなスクリーンでピラミッドを見たとしても、実際にエジプトに行きその空と空気と砂にまみれてピラミッドを見た経験には叶わない。お金をかけて素晴らしく手の込んだ映像で街の魅力を伝えようとするよりも、その街の魅力は自分の足で歩きその街の空気感や人々との触れ合いから感じた方がいい。何を魅力だと思うかは人によって違うんだから。

オンラインにもいいところはたくさんある。便利だし距離をなかったことにしてくれる。それと同じように動物として人間として、リアルに触れていくことにもいいところがたくさんある。

このコラムを読んだあなたが、ご紹介した街なり住まいの近くの街を一歩でも多く歩き体感することを願いながら元祖山手七福神のご紹介はしめくくることとしよう。

<出典>
瑞聖寺ホームページ http://www.zuisho-ji.or.jp/

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