しのだひろえの歩っとタイム Vol.73
坂道歩きも楽しめる元祖山手七福神(前編)~開運七福神めぐり~
七福神めぐりは江戸から続くスタンプラリー。それだけでも楽しいのだが、様々な街を楽しめるのもいいところ。今回は東京の城南エリアにあたる目黒・白金台にある元祖山手七福神をめぐろう。
目黒、白金台をつなぐ元祖山手七福神
まず坂の多い目黒と高級住宅街ともいわれる白金台の街並みを両方感じられるのがおもしろい。坂のおかげで、健康的なウォーキングにピッタリだし、コンパクトなわりに歩いたなぁ~という気もするだろう。
この七福神を今回はJR目黒駅からめぐるとしよう。
弁財天(蟠竜寺)→恵比寿(瀧泉寺)→大黒天(大圓寺)→福禄寿・寿老人(妙圓寺)→布袋尊(瑞聖寺)→毘沙門天(覚林寺)
背筋が伸びる寺
さっそく目黒駅から蟠竜寺(ばんりゅうじ)までは、長く続く坂をくだる。途中に大鳥神社が見えてきたら、左に曲がればもうすぐだ。
目黒の大鳥神社といえば酉の市でも有名で、目黒区内で最古の神社と言われている…が、ここは通りすぎる。
さて、蟠竜寺は大通りから奥まったところにあるものの、「岩屋弁財天」「出世開運」とされる山門があるから右手を見ながら歩いてほしい。
奥に進むと庭園があり、まっすぐ前に本堂が見える。豪華絢爛というより質実剛健といった佇まいの本堂で、飾られた花が本堂を際立たせている。
あくまで私の感想だが、ここは襟を正したくなるようなキリっとした空気に包まれている。やましいことはしていないか、自分の軸をもって生きているか、自分に嘘をついていないかなどと、自分に問い背筋が伸びる。「先生」「師匠」とでも呼びたくなるような“気”も。
山門にも書かれていた岩屋弁財天は本堂のすぐ横、岩をくりぬいたほこらにある。電気でも流れているのかと思うほどのピリッとした雰囲気に圧倒される。
他にもおしろい地蔵など、見どころもあり味わいのある寺である。
目黒不動尊でおなじみの瀧泉寺へ
次は恵比寿神の瀧泉寺へ向かおう。蟠竜寺から5分ほどで瀧泉寺の裏手に到着する。ここは目黒不動尊として良く知られ、本堂はさすが堂々たる佇まいだ。
ちなみに見逃しがちだが、裏手だってすごいんだぞっ。銅造大日如来像の大きさはカメラにおさめるのも一苦労なのだ。
他にもあちらこちらに見どころがあって一日楽しめるテーマパークのような瀧泉寺だが、今回は七福神がメインであるから、そそくさと後にして恵比寿神に向かう。
恵比寿神は、瀧泉寺の正門から道を渡ってすぐにある。ここでまさに体験してもらいたいのが、「福銭洗い」だ。写真でも分かるように含まれる成分のせいか硫黄色で、恵比寿神をふくめた三福神をお参りしてから五円も含めて洗うと良いのだそう。
この水がまた意外や意外。温泉のような温かさを感じるゆるさで気持ちがいいのだ。人肌ゆるめのお湯といったところか。あたたまるぅ~。
さて前半はここまで。後半は目黒川を抜け、目黒の急坂・行人坂を通って白金に向かう。さぁ先へ先へと歩を進めよう!