しのだひろえの歩っとタイム Vol.72
トラトラトラで開運!柴又七福神(後編)~開運七福神めぐり~
寅年にちなんだフーテンの寅さんゆかりの地、柴又の七福神めぐりも後半戦。せかせかせず、ちょいとゆっくり歩こうじゃぁないか。
前編では、寿老人から恵比寿天まで歩いてきた。後編はいよいよ柴又帝釈天にも足を運ぶ。
下町ならではの緑道を歩く
恵比寿天から続くのが大黒天の宝生院である。この二か所は近いがちょっと道が分かりにくいのか、迷う人が多いようだ。
宝生院の入り口には「出世大黒天」と大々的に掲げられていて、その力強さにがぜんテンションがあがる。お顔も福福しくこちらまで笑顔になる大黒様だ。
宝生院から住宅街を抜けるように歩くと福禄寿の万福寺に到着する。実は私は宝生院から万福寺までのルートが好きで、よく道を変えて歩く。特にお気に入りなのは緑道で、家と家の間を通り抜ける時の静けさと、たまにする暮らしの音が、なんだかとっても懐かしいのだ。
福禄寿からいよいよ柴又帝釈天でおなじみの題経寺へ向かおう。この途中にある小さな公園のシュールなアニマルには、昭和ノスタルジーを感じ心惹かれてしまう。
今年はやっぱり毘沙門天でしょう~
さて題経寺である。おなじみの参道で名物の草だんごを買うのは定番だ。七福神めぐりにはおいしいものもつきもの。
参道には草だんご以外にもせんべい屋さんやくずもち屋さん、そば屋さんも。お腹が減ったらいつでもどうぞ!なんでもござれだ。
題経寺には毘沙門天がまつられているが、毘沙門天の使いはトラ。12年に1回の寅年にフーテンの寅さんゆかりの七福神で寅にちなんだ毘沙門天にお参りに行くというトラトラトラの三並び。縁起が良さそうだし、強くなれそう。
拝観料は必要だが、裏手の庭園もいくといいだろう。
おなかなでなで開運儀式
さぁてここまで来たら真勝院の弁財天、良観寺の宝袋尊の二か所は近いからあっという間だ。
真勝院の弁財天は、良く見かける琵琶を奏でる柔和な弁財天の姿とは風情が違う。八臂(はっぴ)弁財天といい、弓矢や刀や矛などを背に携えているのだ。小さな像だがぜひご開帳のおりにはしかと見届けたいものだ。
この真勝院から5分も歩けば今回のゴールである良観寺に到着。
ここは布袋尊ではなく宝袋尊である。大きな宝袋尊のおなかを3回両手で撫でまわせば、願いが叶うというのだから、これはしないわけにはいかないだろう。
これで柴又七福神をコンプリート!
寿老人(観蔵寺)→恵比寿天(医王寺)→大黒天(宝生院)→福禄寿(万福寺)→毘沙門天(題経寺・帝釈天)→弁財天(真勝院)→宝袋尊(良観寺)
さぁ、歩きにでかけよう!
2022年寅年にちなんだ柴又七福神は、めぐっているだけでのんびり気分が良い。しかも思わぬ発見があり充実感があり楽しい。
歩くだけで、こんなにいい気分でいられるのだから、これほど手軽でいいことはないだろう。
そしてどうも歩くことには、自分をごきげんにする作用があるようだ。
そう、だから歩こう!
日常にはイライラもモヤモヤもあるだろうが、結局は自分で自分をごきげんにすることが日常を楽しく過ごすコツであり、ひいては人生を楽しむことにつながるもの。
この柴又七福神をめぐり下町ならではの風情が楽しみながら歩けば、きっと体も心もゆるんで、いい気分でいられるはず。
さぁ!玄関のドアをあけて、今日は柴又にでかけよう。