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猫ちゃん
しのだひろえの歩っとタイム Vol.54

見せようと思っていないのに見えてしまう魅力~区役所アート・中央区編~

日本橋、銀座、月島、築地、人形町・・これらはすべて中央区のエリアである。東京に住んでいない人でも一度は聞いたことがあるだろう地名がならぶ。今回はこの中央区の区役所アートから中央区をひも解いていこう!

さすがスタイルがいい

中央区区役所の写真

なんといっても銀座をしたがえる中央区区役所である。勝手にガラス張りのオシャレな区役所を想像していたのだが意外と素朴な外観。というのが区役所についた時の私の感想である。

中央区区役所アートの写真

区役所アートはこちら。中央区平和都市宣言記念の「二コラ」。1988年朝倉響子さんの作品である。

さすが、脚も首も長くて顔も小さくて、とにかくスタイルがいい。バレエを習っている少女のようだ。

三吉橋こそ中央区の歴史を表している

区役所のすぐ近くにある三吉橋には意外な歴史がある。実は「銀座」という街は橋に囲まれているのだが、この三吉橋も銀座を囲む橋のひとつ。しかも、ある一時期にはここに人工的な連絡水路がつくられたことがあるのだ。

江戸地図で見ると今の中央区区役所は松平土佐守高知藩下屋敷にあったことが分かる。この屋敷の前に流れていた築地川から楓川に向かって昭和期に連絡水路がひかれたものの、時代とともにこの連絡“水路”は築地川とともに首都高となり、連絡“通路“になったわけだ。

江戸地図の写真江戸地図
現代地図の写真現代地図

三吉橋だけではなく、銀座を取り囲む橋を知れば関東大震災からの復興の痕跡を知ることができるし、銀座という街をよく歩けば江戸時代から戦後の日本の歴史を垣間見ることができる。区役所にいったらその周辺もうろうろしてみよう。

銀座の端が橋で囲まれていることに興味がわいた人はこちらの記事ものぞいてみてほしい。

あんこまみれの街といえばここ!

さてこの中央区の街はどこも歴史や見どころにあふれ歩きがいがある。う~ん、ここではどこをピックアップするか迷うが、いっちょ食欲の秋ということでおいしいものが目白押し、そして篠田もよく歩く・人形町をピックアップしていこう。

たいやきの写真

人形町はとにかく「あんこ」がおいしい。まずは街の名前もついている人形焼きの名店は人形町駅・水天宮駅それぞれにあり、食べ比べして好みのお店を見つけるのも甘党の楽しみだ。また東京三大たい焼きのひとつであるたいやき屋さんもあるし、どらやきの名店も点在している。まさにあんこまみれになりたい甘党向けの街と言える。

甘味だけではない、食事どころも名店ぞろいだ。親子丼発祥のお店のランチは行列必死。人形町から徒歩数十秒でいける気軽さもいい。気軽にパクっといけるいなり寿司の名店も明治10年に人形町で創業している。

昼からおやつまで。時間があれば人形町にある日本橋七福神をめぐりながら、甘酒横丁で軽く夕食を。というのも秋にぴったりの宵の口散歩になるだろう。

見えてしまう魅力

街歩きの楽しみは、「相手が見せたくて見せているもの」ではなく「見せようと思っていないのに見えてしまう魅力」というものに価値がある。そこには歴史や人々が暮らし続けたからこその深みや趣きがあるのであって、これはもう作ろうと思って作れるものでもない。

見せたくて見せているものばかリ見ていると、見ようとする感度が落ちると私は思っている。

この中央区には見どころがたくさんあるものだが、その中から「見せようと思っていないのに見えてしまう魅力」を探すということに宝探しのようなわくわくがあるのではないか。

思いがけない魅力を自分の足で見つける楽しみ。この秋はそんな楽しみを見つけに外を歩いてみてはどうだろうか。

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