しのだひろえの歩っとタイム Vol.46
歩いて見たものこそ真実~区役所アート・京都編~
前回の大阪に続いて本日は京都の市役所アートをお届けする。最初に結論を言ってしまうと京都市役所はただいま工事中。そのためアートらしいものはこのコラムには出てこない。その代わりといってはなんだが、京都の街なみをお届けすることにしよう。
そうはいっても・・。
京都の市役所アートを紹介したかったのだが、足を運んでみるとただいま絶賛工事中。すき間からのぞき見るとユンボと掘り返した土が見えたり見えなかったり。ただ京都市役所そのものが歴史的アートと言ってよいレトロで味わいのある建物である。
フェンスが見えないように、よっこいせと態勢を変えて撮れた一枚。
京都の街を歩いてみよう
工事中のフェンスの紹介で終わるわけにはいかない。せっかくならと京都の街を歩いてみた。
まずはおなじみの観光地、南禅寺よりアートな一枚を。
南禅寺から平安神宮へ向かう途中にある「巨大な輝き」像。大きな噴水が圧巻の琵琶湖疏水記念館の敷地内にある。
平安神宮の朱色はやはり目を引く。平日だからか神社内にはひとりふたりいるかどうかという反「密」状態だ。
平安神宮内の平安神宮神苑。約33,000m2(約10,000坪)と言われる庭は池泉回遊式庭園と呼ばれる池を中心に歩く眺めの良い庭園。
神苑の中には日本最古の電車が残されている。明治28年1月31日に日本最初の交通輸送業電車として京都電気鉄道が運行したものだそうだ。最後まで運航していた北野線も昭和36年7月をもって廃止されチンチン電車の愛称で親しまれた最古の電車もその姿を消すことになったという。
池には色とりどりの睡蓮が咲き、雨上がりでいっそう美しく見えた。
う~ん。さすが京都。スマホで撮るだけでも、腕が上がったような気分にさせてくれる。
でもスマホの画面越しでしか景色を見ないなんてそれは歩く意味がない。スマホをポケットにしまい静かに歩けばその日、その時々で変わる景色、風や鳥の声が五感を刺激してくれる。
現実を歩け、歩いて自分で見たものを信じろ!
京都といえば日本を代表する観光地。インターネット上には京都に関する情報があふれている。確かに現代はどこの街も店も人も何もかも、インターネットでまず調べるのが当たり前の時代だ。私は実際に街を歩き、目で見て、人々と話すことに歩く楽しみを感じているから、インターネットの情報は参考にこそするが、パソコンに張り付いておいしいお店や観光地をくまなく調査するということはしない。結局歩いて分かることもあるし、迷ったっていいし迷うから発見することもある。そんな偶然を楽しめるのが歩く魅力なのだ。
京都が、というわけではないが、何事もインターネットで何でも知れると思いがちだ。しかしインターネットにはむやみやたらに良く見せ大きく見せ加工された「素」ではない情報があふれすぎている。まさに玉石混淆。膨大な情報の中から取捨選択し、本当のことは自分の目と足、体で感じる。逆に自分で見たもの感じたもの以外はまやかしである可能性も含みながら接する。インターネットという波でおぼれず、主体的に自分で得たい情報を得ていく、それが歩くことである。