1. HOME
  2. しのだひろえの歩っとタイム
  3. 過去を振り返る勇気から未来への本当の一歩へ~区役所アート・港区編~
猫ちゃん
しのだひろえの歩っとタイム Vol.43

過去を振り返る勇気から未来への本当の一歩へ~区役所アート・港区編~

港区といえば東京タワー、増上寺、六本木ヒルズ、お台場と観光スポットが目白押し。きっとオシャレに敏感な人には一番の “推し区“である。一方で新橋のような庶民的で雑踏の似合う街もある。多面的な魅力をもつ港区の区役所アートをめぐり、その魅力や歴史をのぞいてみよう。

華やかさの裏にある港区の歴史

「平和の女神」像の写真

まず港区の区役所アートはこちら。「平和の女神」像である。

ここ港区も戦争によって多大な被害を受けた区であり、港区平和都市宣言がこの像の足元にも記されている。

芝公園にある木の写真

港区の戦災の様子は、芝公園にある戦災イチョウとスダジイの木からも見ることができる。

芝公園にある木の写真2
港区の像の写真

港区にはもうひとつ像がある。こちらは正門前にあるのだが題名は分からない。

区役所内にもいくつもオブジェがあり、また、区民代表者の写真も飾られている。例えば、海外旅行など手の届かない時代に海外と日本をつなぐ架け橋となったひとりである、兼高かおるさん。港区の公式サイトによれば「昭和34(1959)年から平成2(1990)年までの31年間、テレビ番組「兼高かおる世界の旅」でレポーター、ナレーター、プロデューサー兼ディレクターを務め、世界150カ国以上を訪問されました。(原文まま)」とある。

誰にとっても刺激的な街

東京タワーの写真

港区はどの年代にとってもどの趣向を持つ人にとっても刺激的な街である。例えば麻布は夜の大人の街といった印象でシックなお店も多いが、新橋はサラリーマンのオアシスだなんて言われることもあるくらいの庶民派で居酒屋が良く似合う。もっとも新橋は雑多な人種が集まる異種格闘技戦といった楽しさもあるのだけれど。お台場や六本木ヒルズ、ミッドタウン、赤坂界隈と朝から晩まで賑やかそうな場所だってある。たいていのことは港区でことが足りそうだ。

区役所の近くだけでも、増上寺、芝公園、東京タワー、麻布十番商店街などが目白押し。散歩やまち歩きが好きな人にとっても魅力的な街だろう。

麻布善福寺のイチョウの写真

散歩するなら、港区名物の坂道めぐりもいいし最初のアメリカ大使館跡がある麻布善福寺に足を運ぶのもいい。麻布善福寺にも戦災を受けながらも生きながらえたイチョウが今も大きく強く存在している。

見たいところだけ見る、そんなわけにはいかないよね。

区役所アートの平和の女神も芝公園の戦災のスダジイも、確かにそこにしっかり残されているのだが、港区と聞くとどうも華やかさや高級感というイメージが先行してしまうのは私だけだろうか。それこそ怖いところ。平和の女神像にも「あの悲惨な戦争が終結してから長い年月を経て、ややもすると薄れつつある記憶-私たちはその事実を歴史の中にうずめてしまうことはできません。」とあるが、その土地や街について学ぼうとしなければ、その土地がもつ影の部分を知らずに印象とイメージだけで外面だけをなめて終わってしまう。

ものやひと、こと。すべてに見える部分と見えない部分がある。見たいところと見たくないことがある。見たくないところに目を向け現実を知る勇気もきっと必要だろう。それができて初めて、本当の未来へ一歩が踏み出せるのではないか。

<出典>

ページトップ