ウォーキングとウォーキングスタイル
ウォーキングについて
ウォーキングで大切なことは、どれだけ歩くかではなく、どんな歩き方をするかです。
ウォーキングは、歩くという行為は共通でありながら、ウォーカーの歩く目的や歩く動機、ウォーキングの楽しみ方によりいくつかのウォーキングスタイルに分けることができます。
ウォーキングスタイル別に、歩くことがどのように認知され、楽しみとして捉えられているかを学ぶことによって、ウォーカーのニーズを知り、的確なアドバイスや支援ができるようになります。分類については、目的による分類、場所による分類、歩き方の分類、使用する道具による分類等があります。
ウォーキングの目的別分類と6つのウォーキングスタイル
ウォーキングは、二足歩行の機能を活用した動作を伴った運動と言えます。
しかし近年では、単なる身体機能の活動を伴った運動としてではなくウォーキングを大きく二つの分類に分け応用されています。
アクティブスポーツウォーキング
ウォーキングをスポーツとして位置づけ、目標の設定を行いトレーニングを重ね積極的に目標達成のために努力しクリアして行き、達成感、満足感、充足感を伴った個人記録を伴ったスタイルで、アクティブウォーキングとして総称されます。
これを細分化すると以下のウォーキングスタイルになります。
アウトドアスポーツウォーキング(ツーリズムウォーキングを含む)
自然を楽しみながら歩くウォーキングです。無理せず、故障しないように少しずつ始めることがポイントです。
アウトドアスポーツウォーキングを楽しむには
- 音楽を聴きながら
- 四季を楽しむ
- お気に入りのウェアやシューズを購入し身に付けて歩く
- 野山の風景を描きながら歩く
- ウォーキング日記をつける
- いつもと違う道を歩く
- 歩いた距離を記録する
- 友人と一緒に歩く
など楽しみを優先、旅をするなど非日常性の中でウォーキングライフを、過ごすことです。
<アウトドアスポーツウォーキングのスタイル>
スタイル1Trail Walk(トレイルウォーク)
「踏み跡」を意味し、登山道、ハイキング道、林道、古道など人が歩く道。
「歩きながら地域の自然や文化を楽しむ道」でもあります。
東北の復興、地域の活性化を図ると共に、国土への深い理解、自然・文化の再発見を推進する道として、ロングトレイルルートが開発されています。
※国定・国立公園地域環境省の展開する東日本大雲災の被災地域を縦断する「みちのくロング・トレイル」 があります。
スタイル2Footpath Walk(フットパスウォーク)
英国で生まれたスタイルの小路ウォーク。
森林の柚道、田園地帯のあぜ道や牧場の作業道、街中の路地等人々の生活に根差し自然発生した道です。
自らが暮らす地域において育まれた文化、産業、歴史、景観、食を再発見するウォークスタイル。
地域の特性、特産品等を活かした地域活性化に有効な施策でもあります。
スタイル3Trek & Hiking Walk (トレック&ハイキングウォーク)
Trek
南アフリカのアフリカーンス語が語源で、牛車で旅行すること、苦労して旅行する意。
高い山に登るのではなく、山麓周遊旅行や小登山をさします。
特に登頂することにこだわらず、山の中を歩くことを目的としています。
ただし、結果的に過程で山頂を通過する事もあります。
ニュージーランドでは、トランピング(tramping)と呼ばれています。
Hiking
徒歩旅行(遠足)。日常生活から離れての郊外散歩、里山歩き等の野外活動がハイキングと呼ばれます。
リラックス効果を期待すると共に、健康増進、知らない地域の見聞や自然の風景、歴史的景観を楽しむウォーク。
スタイル4Town City Walk(タウンシティウォーク)
ウォークを通じて、日々の暮らしや生活する地域で、新たな発見や再認識をすることで、日常での刺激や、日常でのちょっとしたハレ気分を楽しむウォークスタイル。
地域の名物料理の食べ歩きや、史跡めぐり、ウィンドショッピング等のウォーク。
ツーリズムウォーキング
観光や地方で行われる大会参加を目的としたウォーキングで、活動範囲が広く宿泊や長距離の移動を伴う大規模なウォーキングをさします。
レジャーウォーキング、ヘルスウォーキング、エコウォーキングとも重なってきます。
- 熊野古道、シルクロ―ド、万里の長城など世界の遺産を歩く観光ウォーキング
- 中国の仏教聖地とされる四大仏山、お遍路などの巡礼ウォーキング
(山西省の五大山/文殊菩薩、四川省の峨眉山/普賢菩薩、安徽省の久単山/地蔵菩薩、浙江省の普陀山/観音菩薩) - 新日本歩く道紀行1000の道を歩くウォーキング
- 世界中で催行されるウォーキング大会への参加
エコウォーキング教育ウォーキング
ツーリズムウォークには、エコウォーキング、教育ウォーキングも含まれます。
自然科学、環境問題、教育や文化、農林水産業、世界で起こっている様々な問題について、現地に足を運び楽しみながら学びます。
知育、体育、徳育、食育、環境などの対策を考え実践をしていきます。
また、全国をウォーキングで回りながら社会問題などの対策を啓発する環境と教育をテーマにしたウォーキングです。
- ハイキングで里山を楽しみ、ゴミなどを集め持ち帰る。
- 海岸を歩き生き物の生態を観察環境問題を考える。
- 農林水産業の体験。
- 四季を感じ自然の動植物を観察し完起用の変化を知る。
- 歴史・遺跡探索をする。
ヘルスウォーキング(プログラムを伴う)
スタイル5Health & Fitness Walk(ヘルス&フィットネスウォーク)
健康づくりのための予防・未病・疾病等の対応として、また、脚力の強化、循環器系の強化やダイエットなど健康を目的としたウォーキングで、歩く時間や距離を決めて計画的且つ、定期的に歩きます。(病態別対応)
通勤途中や買い物のときにー駅分を歩くのも健康目的のヘルスウォーキングといえます。
世の中が便利になり歩くことが減っています。そのために、人間の体は退化しています。
自らが積極的に歩かなければ益々脚力が衰え寝たきりになるなど病気になる可能性が高くなります。
将来の生活を考え今から身体を維持することが大切です。
ヘルスウォーキングには、下記のような方法があります。
- フィットネスクラブでトレーニング
- ダンベルウォーキング(ダンベルをもって歩く)
- ストックウォーキング(ポールウォーキング、ノルディックウォーキング)
- 通勤ウォーキング・買い物ウォーキング(日常的運動)
- 脳トレウォーキング
- ストレス対応ウォーキング(森林や湖、海辺などを歩く)
スタイル6Marching Walk(マーチングウォーク)
ウォーキングの愛好者が集まり、ある一定の距離を定め、各々のコース設定を行いコース毎に定められた時間のもと歩くことを楽しむウォーキングスタイルです。
オランダを発祥とし、日本で独自のスタイルを形成しています。
地方自治体等も積極的に参画し、地域住民の健康づくりと共に観光促進、地域間交流を図りながら実施されています。
集団で仲間と楽しく歩くことで生き甲斐が創出されます。
特性は、ウォーカーが各地域の大会毎の踏破距離の合計を以って距離認定を受けられることなどです。
※参考例:自治体と一般社団法人日本ウオーキング協会が共催しているジャパンマーチングリーグが代表例