しのだひろえの歩っとタイム Vol.102
~2022秋の銀座線散歩2~
「銀座線を歩こうと思ってるんですよ」とふと話したら「私も歩きたい、声をかけて!」という人が数名現れた。こういうポジティブな反応は素直にうれしい。少なくても健康的にウォーキングをしようという気持ちがあることが分かるし、誰かと一緒に歩けると思うと楽しみが増すし、互いの視点が違うから私も発見することがたくさんある。もうそれはウェルカムだ。
銀座線は約17キロ、4時間ちょっと
さて、渋谷からスタートして浅草まで歩く銀座線歩きだが、Googleマップでみると約15キロで3時間超えといったところだ。午前中で歩けるいい距離だが、途中で疲れてくればスピードも落ちるしカフェで休憩もしたいしと思えばもう少しかかるだろう。
ただ、Googleマップの標準時間はひとつの指標になるので、ある程度歩く時にはチェックしておきたい。
渋谷はチャレンジする街・できる街
スタートの銀座線・渋谷駅。渋谷駅の大工事は終わり、昭和を感じた銀座線は一新。狭くて地下トンネルのような構内、やや暗めの照明、ゴォーと大きな音を立てて渋谷駅に到着してくる車両とニオイは今となっては懐かしい。
さて向かうは表参道駅。宮益坂をまっすぐのぼるだけのルートだが、少し見渡すだけでも変化が見てとれた。駅の近辺は飲食店をはじめ様々な店が軒を連ねていて覚えきれないくらいなのだが、それでも知った店や気になっていた店はあったわけで・・あ、ない。
流行りのお店になっていたりまったく形態の違う飲食店になっていたりと、思いの外入れ替わっている。これは2020年からの影響か、いやいままで気がつかなかっただけか。ぐるっと見渡しながら歩くと新業態ともいえる新しいチャレンジを仕掛ける店もチラホラあって、渋谷らしいなと妙に感心してしまった。
そうだ、ここは渋谷だ。様々なセンスが集まり自由にチャレンジし文化がミックスされて流行りを生む街だ!ノスタルジーにふける街でもないのかもしれない。
宮益坂にでる渋谷ヒカリエの出入り口の街かどアートも渋谷らしい。
そう思いながら宮益坂までのぼれば、表参道の雰囲気が漂ってきた。
ファーマーズマーケットのにぎわい
表参道らしい風景といえば岡本太郎のオブジェだ。太陽の強い光をうけながら見上げてパチリ。
国際連合大学前では青山ファーマーズマーケットが盛況だ。この青山ファーマーズマーケットは土日に開催されているイベントで、出店者である農家や地域の店から直接農産物や農産加工品が買える場だ。ふだんの野菜や見慣れない珍しい野菜や果物、花やジャムやクッキーもある。奥のエリアでは、アンティーク小物や着物、作家さんの作品が直接買えたりと、売り手とのコミュニケーションを楽しみながら買い物ができる機会。ここではものを買うというよりコミュニケーションと時間を楽しむのが目的で、のんびりほがらかないい時間を過ごせる。
ファーマーズマーケットが楽しすぎてここで遊びたい気もするが、まだ銀座線散歩は始まったばかり。名残惜しくも表参道交差点まで歩けば、銀座線への入り口が。
変わること変わらないこと
渋谷も表参道も店の入れ替わりや道の拡張など、なにかしら変化は起きている。特にここ数年は外に出る機会も少なかったから本当に久しぶりによく街を見ながら歩いたのかもしれない。しばらく見ないうちに大きくなっていた親戚の子どもをみるかのように、変化は小さくても、会わなかったからこそ分かる変化や成長もあるわけで。街の今を自分の中でアップデートするために歩く、そんなウォーキングもいいもんだ。