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猫ちゃん
しのだひろえの歩っとタイム Vol.99

実はワケあり!?なるほどがいっぱいの多摩川スカイブリッジ歩き5

実はワケありな多摩川スカイブリッジ

橋を渡る醍醐味といったらその景色だろう。さえぎるものがない空、下を流れる水の流れがいつもとは違う刺激を与えてくれる。さらに橋ならではの少し強めの風がちょっとスリリングで冒険しているかのようなワクワク感を感じさせてくれる。

多摩川スカイブリッジの写真

ただ、ここで話しておきたいのだが私は高所恐怖症である。特に橋の端が苦手だ。手すりにつかまれるほど端によれば、足がすくんで歩けない。強い風がふけば低姿勢のへっぴり腰でヒザをがくがくいわせながら歩くほかない。そんな私にとって多摩川スカイブリッジのシンプルなつくりゆえの柵の低さと見晴らしの良さは恐怖なのだ。

後から知ったのだがこのシンプルな設計・デザインは自然の生態系にも配慮したつくりゆえのもののようだ。橋がかかる多摩川の河口付近には豊かな干潟がありここに生息するカニや魚を目当てに多くの鳥がやってくる。だから「鳥の飛翔の邪魔にならないように、できる限り橋の厚さを薄くし、ケーブルなどがない形にしている」という。(市政だより「KAWASAKI」2022年2月号より)なるほど、先の大師橋は大きなケーブルがあり、だからこその存在感があった。

また「外に光が漏れにくいよう、照明灯は立てず、低い位置に照明を配置」してもおり、照明は柵や手すりに埋め込んであるとか。なるほど、だから高い柵を設けず全体としてもシンプルなつくりなのかと感心する。

そう知ると、橋の見え方まで変わるから不思議だ。

ちなみに、ユリカモメやアオサギ、カワウやウミネコなどの鳥の跳ぶ姿が橋から見られるというので、飛行機好きだけではなく鳥好きもぜひ足を運んでみてほしい。

あ、こういうの見逃さない

境界線の写真

橋のデザインもなのだが、歩くのがお好きな方にはぜひこの境界線も楽しんでほしい。境界線なんか気にしたことがないという人もいるだろうが、区や市の境界線を知ると案外面白いもので、道路改修工事をなぜここまでしかやらないのか?と思ってみると区の境界線だからということもある。この面白さはまたお伝えするとする。

この境界線を見る限り、多摩川スカイブリッジは川崎市の割合が大きいようだ。両足でまたげば、片足は川崎市で片足は大田区にという構図。にまにま。

なるほどが詰まっている

多摩川スカイブリッジを通じて構造や設計上の工夫を知ると、ふだんの通勤通学で目にする橋にはどんな工夫がこらされているのだろうと考えるようになる。これがふだんとは違う道を歩く価値でだろう。新しい発見や喜びがふだんの生活に新しい視点をくれ、より楽しくさせてくれる。境界線だってそうだ。知るか知らないかで日常の楽しみ方が変わるんだから、これはもうどこかを歩かずにはいられないはずだ、あなたも。

※出典

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