しのだひろえの歩っとタイム Vol.96
身近な街の魅力を知る多摩川スカイブリッジ歩き2
多摩川スカイブリッジを目指して歩く多摩川歩きを今日からスタートしていこう。
東海道を歩いてみる
スタートはJR川崎駅。ラゾーナ川崎やアトレ川崎、川崎アゼリアなどのショッピングモールが並ぶ駅周辺は、横浜にも負けず劣らずの神奈川県の都市・川崎を感じさせ、また年を追うごとに巨大化しているようだ。
このJR川崎駅から5分も歩かずに京急線の京急川崎駅に到着する。ちょっとレトロで昭和の雰囲気を醸し出す京急川崎駅も嫌いじゃない。ここから京急大師線にのり有名な川崎大師へいく人もきっと多いだろう。今日はここからさらに数分歩いて旧東海道の道にでる。
旧東海道から多摩川へ
京急川崎駅をすぎても繁華街は続く。川崎駅ならではといえるのは、駅から10分、15分歩いてもにぎわいがあり繁華街らしさが続くところだろう。この繁華街の大通りからふと目をやると、「旧東海道」の石碑が。繁華街の派手な色合いに目が慣れていたからだろうか、「えっ、ここ?」と思わず声がもれてしまうくらい雑踏の中に現れた旧東海道には少し拍子抜けするほどだ。
歩道にドドンと現れる旧東海道の文字。繁華街から一気に街も道も雰囲気が変わるようだ。
しかしよくよくその道を見てみれば、旧東海道ならではの雰囲気をあちらこちらで発見することができる。“ならでは“の風景はやっぱりいい、歩くときの心持ちも変わりそうだ。
コンビニの横にある歴史案内。ふだん歩いているとこういう風景を見逃してしまうんだよね。
さて旧東海道をてくてく多摩川に向かって歩くと見つけた「東海道かわさき宿交流館」。こういう歴史館を見つけると一気に旧東海道を歩いてるぞ!という気がしてくるものだ。どの宿でもその場それぞれの歴史をみることができて、日本橋から歩いた当時の人々の様子に思いを馳せたりちょっとしたタイムトリップができる。
六郷橋の歴史を知る
老舗の菓子屋や家々を通り抜けると、やや家の建て方が変わり六郷橋が見えてきた。そうあと少しで多摩川だ。
六郷橋のたもとには、「六号の渡しと旅籠街」と題した歴史を伝える案内板が。「家康が架けた六郷大橋は洪水で流され、以後、実に二百年の間、渡し船の時代が続きました。」とある。もう少し詳しくいうと、慶長五年(1600年)に徳川家康が六郷大橋をかけたものの、貞享五年(1688年)7月の大洪水で流された後に渡し船が運用となり、この渡し船事業は川崎宿の財政を大きく支えることになったそうだ。
江戸からの難所である多摩川の交通を担っていたのだから、おおいににぎわったことだろう。
明治に入るまで渡し船は運用されていたそうで、明治天皇六郷渡御碑も建てられている。
そして目の前は多摩川、向こう岸は東京都大田区の六郷土手駅。ここから川沿いをひたすら歩けば多摩スカイブリッジだ。
次回からはこの多摩川をひたすら歩く多摩川ルートを歩いて行こう。
身近な街の魅力を発見
実は川崎には数年住んだことがあるのだが、旧東海道や六郷橋を歩くこともなかった。そもそも行こうとも思わなかったし存在も知らなかったというのが正直なところだ。住んでいるからこそ知らない魅力に、その地を離れて初めて気がつくことはよくあることで、いかに灯台下暗しの日々を送っているかを実感する。まぁ歳を重ねるごとに興味のアンテナが変わるから当時この場を知っていたとしてもピンとこなかったかもしれないが。今の住まい周りにもきっと面白いことや楽しいことがもっと発見できるはず。日常をもっと楽しむためにそんな身近な街の魅力を見つけに今日も歩いてみてはいかがだろうか。