暑くなければ夏ではない。ところによっては40度という想像もつかない暑さのニュースを聞くと、もうそれだけで「暑い！」と口にしてしまいそうだ。かといって雨ばかり続くようなどんよりした雲ばかりの冷夏であればやはり太陽が恋しくなるもの。海や山がきらきら輝き、スイカやアイスがおいしいのは結局暑い夏なのだ。
さて、夏真っただ中の本日お届けする歩っとタイムな場所は「多摩川」である。なんせ「多摩川スカイブリッジ」ができたのだから。
多摩川スカイブリッジとは令和4年3月12日に完成した神奈川県川崎市と東京都大田区を結ぶ橋で、橋梁の長さは約675メートル。ゆるやかなカーブを描く橋である。
何が見ものかって川崎市側から大田区を目指せば、羽田空港と各地に飛び立つ飛行機を間近で見れることだろう。たいていは飛行機の“腹“しか見えないものだが、天気と目さえよければ脇腹のデザインまで見えるし目的地によってルートが違うから「あの飛行機はどこに行くんだろう」「さっきの飛行機とは違う場所にいくんだね」なんてぼ～っと眺めているだけで心はすでに空を飛び飛行機にのって旅にもでているようでもある。
飛行機ってそうそう見れるもんじゃない。やっぱり特別感があるし、つい見てしまう。多摩川スカイブリッジという橋越しの飛行機なんてテンションあがるでしょ？
さて、この多摩川スカイブリッジの川崎市側に公共機関で行こうと思うなら、京急大師線の終点・小島新田駅から30分ほど歩くかＪＲ川崎駅からバスにのるのもいいだろう。だがここは歩っとタイム。せっかくなら川崎駅から歩いてみようじゃないか。歩くから分かる川崎の風景だってあるはずだ。
Googleマップで確認すると川崎駅から多摩川スカイブリッジ入り口まで１時間30分もかからないちょうどいい時間。しかも多摩川沿いを歩くルートということで車も少なく、信号にひっかかることもなさそうだから歩き好きにはいいかもしれない。
ということで準備はバッチリ。ＪＲ川崎駅から多摩川沿いを歩き、多摩川スカイブリッジへ。橋を渡り羽田空港まで行く県境またぐ“歩っとな”ルートを次回からご紹介していこう。もちろん、ふらっとより道もしながらで！
目的地を決め、ルートをつくる段階で歩く楽しみはすでに始まっているものだ。ルートなんていくらでもあるし、十人十色でその人の価値観まででてしまう。私は観光地だけめぐるルートより何気ない街や道を通るルートが好きだ。だってお膳立てされた“見せるため”の場所より、“見せるつもりのない”何気ないところに街の面白さがあると考えているからだ。楽しみを見つける余白がある。そうやって余白から楽しみを見つけ増やしながら歩くのが大好きなんだ。
歩き方コンサルタントとして活躍するしのだひろえさん。
忙しく働く中でホッとする時間をもとめてちょっと散策。
目線を変えるだけでいつもの街が違った顔を見せてくれる。
歩くことが大好きなしのださんならではの街歩きの楽しみ方をご紹介します。
いつもの街も歩き方ひとつで“ほっこり穏やかな風景” を見せてくれます。
篠田洋江（しのだひろえ）プロフィール
歩きの専門家として3歳から94歳の方までのべ15,000人以上の歩き方を指導。
プライベートでは長芋をこよなく愛し半農生活を送る。JWA健康ウオーキング指導士
まち歩きの観察眼を生かし、住みたい街さがしをする周辺環境リサーチサービスも。
「栄養と料理」でもウォーキングコラム連載中：https://eiyo21.com/nc/
