しのだひろえの歩っとタイム Vol.93
さぁゴール!生きることに慣れてきた中高年こそチャレンジしよう~山手線一周ウォーク最終回~
さぁいよいよ山手線一周ウォークも最終回。よくここまで歩いてきた、いや、よく読んでくださりました。
神田駅
秋葉原から神田駅までの道は、JRの高架横を歩く安心なルートだ。道を間違えるかもしれないという不安がないだけでも足どりは違うし消費エネルギーも違うように感じる。田端駅から西日暮里~日暮里駅、鶯谷駅から上野駅までの夜ならではの気の張りようと比べればずいぶん楽だ。道が分かっているというのはこれほど違うものなのか。
高架下の飲食店を横目に、やれここは有名店だとか行ったことがあるとか話もはずみはじめ、ゴールが見えてきた安心感を誰もが感じていることが分かる。
見慣れた神田駅が文字見え安堵。
ゴールの東京駅はこの上もなく美しい
神田駅から東京駅までは和気あいあい。口数も多くなり時に笑いも。「ここまでくると走る方が楽。歩かなくてはいけないのが逆にキツイ」と人もいたりしてなるほどと思ったり。
一歩、また一歩と歩みを進めるうちに、東京駅周辺のビルが見えてきて人の流れが変わってくると自然に足取りもやや速くなり、朝8時にスタートしたあの場所に向かって皆の気持ちが一体になる。
そしてゴール!!東京駅はまるでデジタルアートのように美しかった!
東京駅丸の内周辺のビルの美しさとここまで歩いてきた達成感に、しばしひたる。
スタートしてからちょうど12時間の20時到着、距離にして36キロ、よーやった。
山手線を一筆書きしたような歩いたルートをみて感動だ。
東京駅を行き交う人々は、きっと我々が朝から12時間も歩いてきたとは思うまい!この達成感と充実感と高揚感は、日頃感じえないほどだ。
よくやった!よく歩いた!よくがんばった!自分をこれ以上ないほどに褒めてあげよう、褒める以外に何がある!?そう日々もよくやってる、そして今日もよくやった!
中高年こそチャレンジしよう
平たんでいつでもリタイアできてコンビニもあるから気も楽ということはあるが、12時間約36キロは、多くの人にとってそうそうチャレンジできることではないだろう。
この山手線一周を一緒にした人達の感想はそれぞれで「思ったより楽に歩けた」という人もいれば「途中から本当はかなりきつかった」とまったく違うわけだが、その時々の体調やアイテムの選び方や一緒に歩く人との相性もあるから楽々完歩できたから偉いとかいいわけではなく、とにかく「チャレンジをした」ということに意味があるのではないか。
歩くという当たり前にしていることでも、私たちはいつでもチャレンジできる。36キロとはいわずとも、ふだんよりひと駅長く歩くのだって日常から一歩踏み出したチャレンジだ。
日々当たり前のようにすぎる毎日の中で、ほんの少しでも昨日までとは違う体験をし経験を積み新しい自分の一面を発見していくことは、生きることにどこか慣れてきた中高年にこそ必要だと私は考える。
さぁ、わずかでもささやかでもいい。誰に何を言われてもいい。昨日までの自分とは違う新しい一歩を今、踏みだそう。