しのだひろえの歩っとタイム Vol.91
昼夜にかけて歩くから分かること~山手線一周ウォーク14~
老舗の団子屋さんも店じまいする時間、お楽しみはもう東京駅につくまでおあずけだ!
日暮里、上野の間の鶯谷を目指して歩く
日暮里から鶯谷までの間には、「羽二重団子 本店」がある。夏目漱石や正岡子規などの文学作品にもでてくる老舗で、場所は日暮里駅から数分。なめらかな口当たりで上品な団子、といった印象だ。
あわよくば団子を買って東京駅までの最後のエネルギーにしようと思っていたのだが、通りかかった時にはすでに店じまい。巣鴨駅以来のおたのしみスポットにはなりえなかった。そうもう暗いのだ、もう夜なのだ、もうそんな時間なのだ。
写真は羽二重団子本店のすぐ横にある「王子街道」の碑。夜はまるっきり見つけられないが昼間はすぐに目につく存在感だ。
羽二重団子本店を右手に見ながら左手をみると、あちこちに高層マンションが立ち並び、下町と言われる荒川区でも不動産開発が進んでいることが分かる。街が変わる様をこうして眺めていると、10年後に山手線一周をしたらきっとまた景色が変わっているのだろうな、なんて考えたりもする。
そうこうしているうちに鶯谷駅に到着。鶯谷、初めてきた駅だ。
上野までが意外と難関!?
鶯谷駅から上野駅までは大通りを歩くことになるのだが・・これが超難関だった。「距離も短いし余裕では?」と思われるかもしれないが、もし東京駅までの最後の難関があるとしたらこの鶯谷上野の駅間なのだ。
鶯谷駅から言問通りに抜けるとスカイツリーがすっとまっすぐに見えてくる。車道を激しく流れる車、古いビル群のまっすぐ先にあるスカイツリーの存在は気分を高揚させてくれた。
「スカイツリーって高いなぁ、電飾すごいな」
今初めて思ったわけではないのだが、改めて歩きながらぽつりと声がでる。こういうぽつりとでてくる言葉って、自分を勇気づける言葉でもあるんだよな。自分の声を聞くだけでほっとするところがある。
さて、スカイツリーも見えるし車も通っているし、まぁそれなりにお店もあるし、どこが難関かと思われるかもしないが、大通りであるからこそ、
- 人通りがありぶつかりそうになり
- 歩きなれない上に夜で曲がる道が分かりにくく
- 信号が多く自分のペースで歩けない
というのが歩く上での、特にこの山の手線一周後半戦の疲れを抱えながらの歩きではストレスなのだ。
疲れてくればそれなりにふらつきがでてくることもあり、肩幅が分からないからふと気がついたら人が目の前まで来ていてよけきれずぶつかりそうになることもある。こういっちゃなんだが、うさばらしかイラついているのかわざとぶつかってくる人だっている。
つきなみかもしれないが、夜に安全に歩くための対策というのはあらゆることから身を守るためにも大切な装備だ。何気なく歩くのではなくてこうして長く歩くからこそ、こうして日中から夜にかけて歩いたからこそ実感する。
冷や冷やするような想いをしながら、上野駅に到着した時には、心から安堵した。
さぁ、上野までくればあとは見知った駅ばかり。目指せ東京駅!目指せ完歩!