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猫ちゃん
しのだひろえの歩っとタイム Vol.75

空が青くて気持ちがいいのは当たり前じゃないんだ~三鷹・府中を歩く~

冬の冷たい空気は歩いていて気持ちが良いものだ。心も体もキリっとシャキとする。しかし3月に入り春になれば、それはそれで暖かいのっていいなぁとなるわけで。季節ごとにいいところがあり、結局どの季節も好きなのだが、やっぱり春は花が咲くかのように、ものごとが咲き開くようで心がウキウキする。

そんな春にむけて今日は少し遠出して、武蔵野の地を歩いてみよう。

広いぞ、道も空も何もかも。

桜の木の写真1

西武鉄道多摩川線・多磨駅をスタートし、都立武蔵野の森公園を目指して歩く。さえぎるもののない広い公園で、飛行場まである公園である。

まだ取材時には桜は咲いていなかったが、力強い桜の木はどう切りとっても絵になるから不思議だ。

桜の木の写真2

桜と空のコントラストを楽しみながら樹木が高くのびる広場や、芝生が広がる広場を超えていくと修景池に到着する。

修景池の写真

この公園は防災公園であることもあり、防災トイレを始めとした災害対策用施設が作られている。修景池の近くにも井戸があり、災害時には生活用水として活用するために掘った災害用井戸だということが記されている。
こういう防災公園が近くにあると生活するには安心だし、時折、防災イベント開催されているようだから、近隣の防災意識も高いだろう。

素晴らしい空の写真

池と素晴らしい空を見ながら歩くのは本当に気持ちよく、思い切り深呼吸をすれば肺に新鮮な空気が行き渡り、まるで心まで新鮮になるようだ。空が都内と違ってみえるのは気のせいだろうか。

調布飛行場と掩体壕

調布飛行場の写真

防災公園という以外にもこの公園には特別感がある。例えば写真の調布飛行場はそのひとつだ。

この調布飛行場からは、伊豆大島や新島、神津島や三宅島行の小型機が運行されている。大島は104キロ25分、新島は147キロ35分、神津島は172キロ40分、三宅島は189キロ45分といった具合だ。1時間以内で島に降り立つことができるなんて、かなり魅力的だ。

調布飛行場の近くには、こんもりと丘が作られベンチまで置かれ、飛び立つ飛行機を眺めるナイスなスポットがあるから、行くならぜひ丘に登ってみてほしい。それほど大きな丘ではないが、それなりに足腰が鍛えられる急斜面、歩くにはいいぞ。

掩体壕の写真

さて飛行場を超えてすぐにあるのが掩体壕(えんたいごう)だ。掩体壕の大沢2号にある説明書きを読むと「この調布飛行場は昭和13年(1938年)に、東京府北多摩郡調布町・三鷹村・多磨村(現在の府中市)にまたがる約50万坪の土地に計画され、畑・家屋・寺・墓地などを半強制的に買収してつくられました(後略)」とある。また掩体壕とは「軍用機を敵の空襲から守るための格納庫で、目的は『本土決戦』に備えて、残り少なく貴重な飛行機を温存するためでした」とも書かれている。

調布飛行場周辺には、この大沢2号とともに武蔵野の森公園内にある大沢1号。そして府中市に2基の掩体壕が残されているようだ。

空は広い、見上げられる空がある。

私は掩体壕という存在を初めて知った。調布飛行場の歴史もだ。こうした歴史に触れる機会は少なく、“自ら探しに行かないと触れられないのではないか”と私は考える。

時代や人々の置かれている状況や心境、そういうもので同じ空を見ても感じ方はまったく違う。同じ空を見て、いい空だなぁ、気持ちがいいなぁ、となんの躊躇もなく深呼吸をし空を見上げることができるのは、今が穏やかで平和だからだろう。

空が青くて気持ちがいいのは当たり前じゃないんだ。「いい天気、気持ちいいねぇ~」そう言って笑って歩ける今は、本当に幸せなことなんだ。

<出典>
新中央航空株式会社 サイト https://www.central-air.co.jp/route.html

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