しのだひろえの歩っとタイム Vol.61
心に熱と開拓魂を持ち合わせているか~区役所アート・品川区編~
本日ご紹介する品川区は、東海道の品川宿でも有名であり、天王洲アイルなどの湾岸エリアで人気もある区。そんな品川区を独自路線でめぐっていこう!
現実的な独自路線
まず、今回品川区をピックアップして知った事実。それは品川駅は品川区ではないということ、あっちゃー!では品川区とはどこを指すのか・・・地図で確認してすっかり港区と品川区をごっちゃまぜにしていた自分に気がつく。
さて、品川区役所は大井町にあり、華やかさというよりも実直さを感じる外観。個人的には意外である。
また、各区には区民憲章があるものだが、ここ品川区は住民自治、生活文化、区民生活、地域社会・・という言葉がならび、非常に具体的で現実的な区だと感じさせる。区民憲章を読むとその区の姿勢がハッキリ読み取れるものだが、この品川区、なかなかに独自路線である。
国産ハーレー「陸王」誕生も大崎だった!
品川区のまち歩きで一番に思いつくのが東海道・品川宿をめぐるまち歩きだろう。しかしながら、今回はあえて、ビジネス街でもある「大崎」の歩っとな場所にフォーカスしてみる。
複合施設であるゲートシティ大崎など、この数十年で開発が大きく進み、今も開発され続けている街が大崎である。実は2021年2月には開業120周年を迎えた歴史のある駅だということは意外と知られていない。
ゲートシティ大崎から少し歩いた先にある目黒川に目をやれば、都会ならではの美しい景色だってみれる。
目黒川にかかる橋の名は「みたけばし」(三嶽橋)。橋のたもとには「昔、この辺り一帯は、江戸末期に薩摩の国から孟宗竹を移入栽培し竹の子の産地として知られていました。」と書かれている。竹の子の産地!これはびっくらこいた。
さて、この目黒川沿いにあるのが「官営品川硝子製造所跡」である。
今はこの石碑が残るのみだが、レンガ造りの当時のガラス工場は、愛知県犬山市にある『博物館明治村』に移管され今もその一部を見ることができる。
またすぐ横の品川学園は、かつて国産ハーレーダビットソンといわれたオートバイ「陸王」の誕生の地でもある。最大排気量1300cc、総重量500キロ、全長は2.6mとちょっとした自動車よりも大きな仕様の陸王は、昭和10年に三共(現在の第一三共株式会社)の系列会社「三共内燃機」の手により生産されたもの。現存し見れるものなら直接その迫力を感じてみたい。
開拓魂を持ち合わせているか
こうして大崎を歩いてみると、竹の子からガラスから陸王まで「開拓魂」ともいえる力強さを街から感じる。新しい何かを生み出すために、様々な地域から人々がこの地に結集し、時代の先端を行く開発をしつづけてきた歴史は、ある意味、大崎が今も開発され続け多くの人々が集まる姿にも通じる。
開拓魂とは泥臭くてもやり遂げる力といってもいいのかもしれない。何かを開拓し、推し進めていくには、楽しい面白いだけではない精神力もきっと必要なのだろうから。そんな精神力、燃え上がるような開拓魂を、今の自分は持っているのだろうか。社会にインパクトを与えることなのか、身近な誰かを揺り動かすものなのか、とにかく何か自分や周りの熱を高めるようなそんな開拓魂を持ち合わせているのだろうか。もし思考停止で追従するだけ、心の熱が冷め切っているとしたら、もっと熱を高めもっと泥臭く自分の人生を歩んでいいのかもしれない。