しのだひろえの歩っとタイム Vol.60
街にあふれるユーモアは元気サプリ!~区役所アート・台東区編~
日本人にも外国人にも人気の観光地が目白押し。それが台東区である。
なんせ、浅草寺、アメ横、上野恩賜公園、東京国立美術館・・・もうこれだけで1泊2日の観光ツアーが組めそうだ。
本日は東京の中でも、ザ・観光区ともいえる台東区の区役所アートから街の魅力や思いがけない面白い風景を見つけていこう!
区役所はシンプルイズベスト
上野駅から歩いて7,8分にある台東区役所は、そのあまりにシンプルな造りに思わず通り過ぎてしまいそうになった。
シンプルイズベスト。ビルです、建ってます、区役所です、といったこざっぱりした感じがいい。
都市開発が進み風景が変わったところもあるが、大きく見れば数十年前から変わらない安心感と安定感が台東区にはある。
今回台東区を歩き、私なりに発見したことがある。非常にマニアックな話だが“地面“である、コンクリートの質が変わった。
十数年前、この上野を歩いた時にはヒールのゴム底が1週間もしないうちに削れてしまうものだった。コンクリートに荒い砂利が混ざっていたからヒールでは歩きにくかったし、スニーカーでもバランスがとりにくかった。
しかし今は、ヒールでもさっさと歩けるほどコンクリートの質があがった(と思う)。マニアックだが、こういう私的な歴史的発見が楽しいのだ。まち歩きの醍醐味なのだ!
どこかシュールでニヒルなユーモア
上野と言えば、昭和を今も色濃く残す街といった印象だ。出稼ぎや進学など田舎から東京に出てきた人々が一歩を踏み出す街であり、希望や期待だけではない様々な事情をもつ人々が行き来する雑踏を歩けば、不安や悲哀がまぎれることだってある。
そういう雑多感のある街は、今どんどん少なくなっているのでないか。どこもかしこも近代的で美しすぎて“映え過ぎ”ていて近寄れない。
しかし違う意味で“映え”てくれるのが台東区。台東区役所から浅草駅までの裏道には、どうしようもなく愛らしくいとおしく、思わずクスっとしてしまう風景がところどころにあるのだ。
希望や期待だけの街にはない、どこかシュールでニヒルなユーモアを感じるのは私だけだろうか。きっと作ったご本人はそんなこと微塵も考えていないのかもしれないが。
多種多様な人々が集まる街だからこその、笑いや喜びや暮らしの楽しみ方があり、それが街に染み込み、何気ないオブジェやアートにさえ染み込み、この独特の雰囲気を作り上げているのだろうな。
街にあふれるユーモアは元気サプリ!
街にあるちょっとしたユーモアのある風景が、張り詰めた空気をゆるめてくれる、息抜きをさせてくれる。まさに歩っとする時間や場所、人、そういうものが、ギスギスした思考や人間関係をゆるめてくれる。
長く続くステイホーム、政治や経済、人間関係・・暮らしや生活のどこかに感じる息詰まり感の中でも、クスっと息抜きできる瞬間やユーモアあふれる風景を見つけることで、日常の暮らしが楽しくなる。街にあふれるユーモアは元気サプリ!また明日から元気に笑顔で生きる活力を与えてくれるはず。だからこそ、身近にあるユーモアを探しに街を歩いてみよう、そして心にもっとユーモアをもって生きよう!