しのだひろえの歩っとタイム Vol.49
街の魅力に気がつくことは、人の魅力に気がつくことにつながる~区役所アート・文京区編~
「住みたい東京の区」としてよく名前があがるのが今回取り上げる「文京区」である。言葉の響きからして知的で上品、これは先入観だろうか。この文京区を区役所アートの点から紐解くと、文教の街らしい一面と庶民的で親しみある一面と、思いがけない魅力が見えてくる。今日は文京区をレッツウォーク!
この景色は文京区ならではの区役所アート
文京区役所は文京シビックセンターという、ガラス張りの複合型ビルの中にある。もうこれだけで都会的な印象だ。
ホールや会議室・展望ラウンジやカフェまでがあり、高層エレベーターもガラス張りでしかも早い。高所恐怖症としては怖い。
さて区役所に来たからには、展望ラウンジにもあがっておこう。25階からの圧巻の景色だ。どど~ん。(※1)この景色は他のどの区にもない区役所アートといっていいだろう。
さて、この文京区シビックセンターの入り口に、文京区の区民憲章ともいえる主張をみつけることができた。どちらも平和に関するもの。「文京区平和宣言」と「文京区非核平和都市宣言」である。
多くの区で平和宣言はされているものだが、この文京区の宣言には、一本筋が通った武士のような礼儀正しさと意志の強さを特に感じる。
どこを切り取っても魅力ばかり
文京区立肥後細川庭園
文京区にはかつて肥後熊本藩細川家の下屋敷、抱屋敷であった肥後細川庭園や、松平播磨守の上屋敷だった播磨坂など、大名屋敷跡ならではの佇まいを感じる場所があちらこちらにある。
吉祥寺(きちじょうじ)
また東京大学や、駒澤大学の前身である「旃檀林(せんだんりん)」がおかれた吉祥寺は本郷に、東洋大学の発祥の地である麟祥院は湯島に。根津には夏目漱石や森鴎外も住んでいたし、さすが文教の街。ぐうの音も出ない。
湯島天神
これだけ伝統的な街・・ということは昔ながらのおいしいものもたくさんあるということ。湯島には手揚げのおせんべいやさんがあるし、護国寺には行列のできる豆大福の名店もあるし本郷発祥のおいしい和菓子屋さんもある。控えめにいっても和菓子系甘党には最高だ。また学生が多く若い人も多いからだろうか、まるで日本ではないような店構えのオシャレで小粋なパン屋さんも多い。伝統と新鮮さが入り混じるのが魅力だな。
そういえば、湯島天神や根津神社もいいねぇ。こう考えると文京区は歩くスポットにことかかない。
街の魅力に気がつく、人の魅力に気がつく
文京区の魅力は、派手な開発がされていないからこその土地の歴史や伝統を感じるところにもあるのではないか。どんどんじゃんじゃん近代的に開発され、どの街も同じ景色になっているように私は感じているから、なおさらこの街に魅力を感じる。この区では、どの道でもどの場所でも過去に人々が生きた跡があり積み重ねがある。
それにしてもこのように街を歩き、その街の魅力を歩き感じ学んでいると、だんだんと人の魅力を見出すことにもつながるから不思議だ。
ひとそれぞれ違う過去や積み重ねを今の姿から感じるという意味では街も人も変わらないからだろう。
知らない街を歩くと様々な魅力に気がつくかのように、人の魅力にも自分の魅力にも気がつくことができれば、もっと生活や暮らしが豊かで楽しくなるかもしれない。