まず結論として「千代田区は歩くだけで賢くなる街」である。なぜなら至るところに歴史の教科書やニュースにでてきた史跡や話題の場所があり、大人になればなるほど学びや発見が多いからだ。さらにそこをどんどん深堀りできる歴史や背景も歩くほど見つけられるし、博物館や資料館も充実している。さすが江戸からの日本の中心地、千代田区。
東京２３区の本丸ともいえる千代田区を本日はピックアップ！区役所にあるオブジェやアートから千代田区の歴史や想いを探り歩いていく。
さて初めから少し重めの話題になるので覚悟してほしい。まず千代田区の区役所アートはこちら「千代田区平和祈念モニュメント」である。この台座の中にタイムカプセルが納められ、千代田区制１００周年（2047年）に開封されるのだという。
私が知っている区役所アートの中ではこの発想・工夫をしているところは他にない。
またこの千代田区平和祈念モニュメントに綴られている言葉を読めば、東京のひとつの区という枠を超えた、人間的で壮大なビジョンをもっていることが伝わってくる。
少し長いがここに記しておく。
「地球は 生命が息づく かけがえのない星
この地球を 平和と希望にみちた輝く星にしよう
過去 私たちは 戦争を経験した
多くの人びとが傷つき 犠牲となった
二度と戦争が起こることのないように
かたく誓い いつまでも 後世に伝えていこう
現在 世界の各地で まだ争いがある
飢えで 苦しんでいる人びとがいる
地球環境の破壊が つづいている
今はもう自分たちだけの平和と安全を
考える時代ではない
国際都市千代田区に住み 働き 学ぶ私たちは
世界の人びとと 連帯して 核兵器をなくし
平和な世界を築きあげよう
未来に向かって 世界の人びとと 友好を深め
同じ地球の仲間として お互いを理解しあおう
私たちは 世界の恒久平和を 実現するために
積極的に 行動することを
ここに宣言する」
地球、星という言葉がちりばめられた平和宣言を読むのは私は初めてだ。「積極的に行動する」という一言には千代田区の世界における使命感を感じる。
ここで少し軽やかな話題も見ていこう。千代田区役所は皇居・清水門の目の前にある。そう、なんてったって景色がいい。
緑も多いし空も見えるし、北の丸公園をぐるっと一周するのは最高に気持ちよいし心が整う。
東京国立近代美術館にいく楽しみもある。
ちなみにおなかがすいたら、千代田区役所１０階にある食堂にいくのもおススメ。一般の人も利用ができるのでちょっとした気分転換に足を運ぶのはどうだろう。食堂と喫茶室があり（中に入るとひとつの部屋）、一般の人の利用も多い。定食やランチは食堂で、カレーは喫茶でというルールがあるのが独特。料金後払いというのも区役所食堂では珍しいのではないだろうか。
早稲田大学の創立者・大隈重信の雉子橋邸があったのがこの千代田区役所だ。1876年（明治９年）10月から1884年（明治17年）3月まで住居を構えたそうだ。区役所まで史跡・名所というのは、う～ん、さすが千代田区。
区役所アートを通じてやっぱり「千代田区は歩くだけで賢くなる街」だと思う。どこもかしこも今の東京に至るまでの歴史が染み込んでいるからだ。歩いて学ぶ楽しみがいっぱい・・大人の歩っとタイムとはそんな知的好奇心をくすぐる場所を歩き探索する時間なのかもしれない。
＜出典＞
歩き方コンサルタントとして活躍するしのだひろえさん。
忙しく働く中でホッとする時間をもとめてちょっと散策。
目線を変えるだけでいつもの街が違った顔を見せてくれる。
歩くことが大好きなしのださんならではの街歩きの楽しみ方をご紹介します。
いつもの街も歩き方ひとつで“ほっこり穏やかな風景” を見せてくれます。
篠田洋江（しのだひろえ）プロフィール
歩きの専門家として3歳から94歳の方までのべ15,000人以上の歩き方を指導。
プライベートでは長芋をこよなく愛し半農生活を送る。JWA健康ウオーキング指導士
まち歩きの観察眼を生かし、住みたい街さがしをする周辺環境リサーチサービスも。
「栄養と料理」でもウォーキングコラム連載中：https://eiyo21.com/nc/
