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猫ちゃん
しのだひろえの歩っとタイム Vol.40

愛するってすごいパワー~区役所アート・墨田区編~

墨田区役所とスカイツリーの写真

本日ピックアップするのは「墨田区」。浅草から吾妻橋を渡り少し歩けば墨田区役所である。スカイツリーを背景にそびえたつ近代的なタワーだが、その周りはまさに下町といった雰囲気。今日は墨田区の区役所アートを紐解きながら、思わぬ区の歴史や想い、魅力を感じて歩いていこう。

区役所アートは、幕末のアイドル「勝海舟」

勝海舟像の写真

まず墨田区の区役所アートは、勝海舟である。勝海舟は文政6年(1823年)1月30日に江戸本所亀沢(両国4丁目)で生まれた。その縁もあり隅田川と青い空に映える高さ5.5メートルの勝海舟像がここにいるというわけである。

区役所アートの写真

こういう著名人の銅像もいいが、何気ないオブジェこそ区役所アートである。ということで、区役所の周りを歩いてみる。すると、あった!赤くてひねりのきいた区役所アートが。自転車に囲まれているところなんて、すっかり墨田区民の日常に溶け込んでいる感じがしていい。

このオブジェにどんな意味が?そう思い近寄ろうとするが・・できない。自転車をかきわけて近づける気がしない。他のいくつかの区でもそうだが、下町と言われるところは自転車率が高い。特に墨田区は区内に坂がひとつしかない平らな街。そのため自転車は生活するうえできっととても便利なのだろう。

区役所アートの写真2

さて、実は区役所内にも、オブジェがいくつも置かれているので、ぜひ区役所の中も見渡してほしい。また台東区とともにアートプロジェクトを行っており、ふとした場所に目を引くアートがあったりもする。

区役所アートの写真3

職人たちが集まる、マイスターの街

スカイツリーの写真

ここで軽く歴史について触れておく。江戸時代、明暦の大火の後、本所近辺が開拓され横川・堅川・北十間川が開通。本所地域は碁盤の目に整備され火除け地として寺が集まり、今の原形ができたようだ。寺の建築に携わる大工や職人が集まり街ができていく。しかし関東大震災により焼け野原に。その後も昭和20年(1945年)の東京大空襲では集中的に爆弾が落とされ焼け野原となるなど、その道のりは平たんではない。戦災からの復興が進む中、向島区と本所区が合併することで、昭和22年(1947年)に墨田区は誕生している。

こういう歴史的背景もあってのことなのだろう。墨田区には工房や町工場、伝統文化を受けつぐ職人さんが多く、歩けばすぐに職人技が光る店や工房をすぐに見つけることができる。特に区役所界隈はスカイツリーに気を取られてしまいがちだが、目線をおろして歩けば、ここはマイスターの街。小さな博物館や日本の伝統工芸を扱う個人のお店がたくさんあるから、ゆっくりのんびり歩くのがおすすめだ。

愛する力につい巻き込まれてしまう

さて今回墨田区をぐるぐる歩いてみたのだが、墨田区の人たちは誰もが気さくで、気負いがない。自分たちが住む墨田区についてよく知っているし、なんなら誰もが墨田区観光ガイド、観光大使といっても過言ではない愛しっぷりだ。職人さんと話すうちに、こちらも心が開放的になるし墨田区をもっと知りたくなる。う~ん、墨田区愛、おそるべし。自分の住む街や人をこれほど愛することができるって、幸せ以外の何物でもない。墨田区について語る楽しそうな顔や声に、愛するパワーのすばらしさを感じるのであった。

<出典>

  • 「墨田区 お寺めぐり地図」発行:墨田区お寺めぐり地図実行委員会

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