しのだひろえの歩っとタイム Vol.10
心のおりを流してくれる水の街・紀尾井町~四ツ谷・紀尾井町②~
かつて紀州徳川家、尾張徳川家、井伊家があり、その頭文字から地名がついた紀尾井町。凛として清楚な佇まいを醸し出すこの紀尾井町にフォーカスして、レッツウォーキング!街を楽しみながら歩きましょう。
紀尾井町といえばここ!
まずは江戸時代の紀尾井町を見てみましょう。大きな屋敷が並んでいることが良く分かりますね。
江戸地図にある、真田濠と弁慶濠の境にあたる喰違見附から赤坂門までが今の紀尾井町にあたります。
江戸地図
現代地図
喰違見附跡の横にあるホテルニューオータニは、もともと井伊家の中屋敷だったということもあり敷地内には屋敷跡を示す石碑がたっています。井伊家といえば特に井伊直弼が有名ですね。現在、上屋敷は国会前庭に、下屋敷は明治神宮となっており普段私たちが何気なく足を運んだり目にする街となっています。
ホテルニューオータニといえば、美しい日本庭園が有名です。素晴らしい景観はもちろん特に豪快に流れ落ちる滝は一番の見もの。滝下を悠々と泳ぐ鯉の大きい事といったら・・思わず手を合わせて拝んでしまいそうなほど神々しいです。ここにいるとイライラもすっと流れて心が落ち着きますね。
清水谷公園は都会のオアシス
ホテルニューオータニがある紀尾井坂を下り弁慶橋に向かうと、左手に清水谷公園が見えてきます。井伊家と紀州徳川家の谷筋から清水が湧き出ていたことからこのような名前になったそうですよ!昔は美しい水が流れる場所だったのでしょうね。
清水谷には池もあり、池にはカメが悠々と泳いでいてとにかくのんびり気持ちよさそう。残念ながら現在の池の水は湧き出る清水ではないそうですが、カメも人もそんなこと気にもせず、ゆったりまったりののんびりタイムを過ごしています。
さて公園内にある偕香苑を抜けて奥に進むと、都会の真ん中にあるとは思えないギャップのある道が登場!山登りにでも来たみたいでワクワクしますね!
どんどん歩いていくと・・あ、再び公園に戻りました。降りてすぐにあるのが、玉川上水の石枡です。
玉川上水というと西武鉄道の駅を思い浮かべますが、玉川上水とは奥多摩渓谷の入り口にあたる多摩川の羽村堰から四谷大木戸まで建設された約43キロにわたる上水道のことで、1653年(文献によっては1654年)に建設されたそうです。四谷大木戸から江戸市内に配水されていたこの玉川上水の施設の一部が石枡なんですね。余談ですが太宰治が入水自殺したのも三鷹の玉川上水。玉川上水の歴史を見つめ直すのも面白いかもしれませんね。
美しい水の街、紀尾井町
ホテルニューオータニの日本庭園に始まり、清水谷公園など紀尾井町は「水」に縁のある街のようです。そんな視点でみると、東京ガーデンテラス紀尾井町の正面には噴水が、そして裏手には水の流れる芽生えの庭があります。芽生えの庭にはビオトープもありホタルの生育可能な環境をビオトープに創出しようと取り組んでいます。
紀尾井町は水をキーワードに、自然、歴史、都会の洗練された雰囲気が融合する場所。歩いているだけで心が落ち着きまったりできる場所も多く、色々なもやもやを水に流してくれるようですよ!
心にたまったおりや濁ったものを流したいと思ったら紀尾井町を訪れてはいかがでしょうか。