尾瀬ケ原ウォーク
尾瀬ヶ原から燧ケ岳を望む
金曜日の深夜、バスで尾瀬に向かう。戸倉でバスを乗り換え朝5時半に鳩待峠に到着。
昨夜の雨の跡が残り地面は濡れているが空は所々に青空が見える。
水芭蕉は6月に見頃を迎えるが、まだ残っていることを信じて木道をゆるゆると下っていく。雨に濡れた木道はよく滑る。こういう時「登山靴は置くようにして歩くんだ。」と聞きかじった話を披露した直後、キャプテンは大きく2度転んだ。同行メンバー以外周りに人はいなかったが、知ったかぶり後の転倒はかなり恥ずかしい。
1時間で山の鼻ビジターセンターに到着。
ここでは何処にどんな花が咲いているか教えてもらえる。そして毎日のように熊が目撃されているという嬉しくない情報も教えてもらった。
山の鼻ビジターセンターを出発して程なく木道の脇にはカキツバタが姿を現す。
そしてビジターセンターから歩くこと約30分、水芭蕉が朝の陽ざしを受けて輝いていた。
どうやら周囲50mだけ水芭蕉が残っているようだ。湿原ではニッコウキスゲ、ワタスゲ、その他いろいろな花を見ることができる。
そしてワタスゲの先には、毎日目撃されているという噂の熊が本当に姿を現す。キャプテンは能天気にも恐怖より感動を覚えた。
同行の女性たちが悲鳴を上げそうになったが、ここはゆっくり静かに距離を取って行くことに。木道ですれ違った登山客にこの先に熊がいると説明し、ビジターセンターに連絡するようお願いした。
牛首分岐からヨッピ吊橋、竜宮、そして牛首に戻り、そのまま山の鼻ビジターセンターまでぐるりと歩く。途中で熊のように逞しい歩荷さんとすれ違う。歩荷の荷物は多分30kg以上あるだろう。若い頃ならあのくらい担げたさ、と負け惜しみのようにキャプテンは呟いた。今では10kgの荷物すら重いと喚く。
花や熊など観察しながら約4時間歩いたのでビジターセンターで大休止としよう。
休憩所で大人のスイーツ、純米吟醸水芭蕉ジェラートを食べる。さっぱりとして舌の上で蕩ける。甘さ控えめ、そして微かなアルコールが疲れた体にとても心地よい。
ビジターセンター前から鳩待峠までゆるやかな上り坂を約1時間半かけて戻る。途中ではシラビソの甘い緑茶のような清々しい香りを楽しみ、目に鮮やかな新緑の優しい光を感じながら歩く。最後に高低差50m程の急登が待っているが一気に登ろう。
さて、キャプテンは酒も好きだが、それ以上にコーヒー好きだ。特にのんびりしたい日帰り登山のときは一番のお楽しみである。 今回はサンタカタリーナ農園の豆をコーヒーミルで挽いて、尾瀬の空気を吸いながら豊かな香りと爽やかな甘みを楽しもう。
豆を挽いているときから香りが漂いはじめる。ペーパーフィルターに豆を入れ、お湯を注ぐ。さあ都会のどこのコーヒーショップより美味い尾瀬の1杯をどうぞ。
これで同行した女性たちのハートは鷲掴み間違いなしだな。