人と倫
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釣り師は誰もが心に傷を負っている、男は誰しも釣り師の心を持っている。
大物を釣りたい、釣果こそが目的だ。
しかし思った通りに釣れるものでもない。
大物を釣りたい、釣果こそが目的だ。
しかし思った通りに釣れるものでもない。
開高 健
説く(1)
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時には釣ろうと思った魚ではなく別の魚が釣れる。
そこで考えて「えさ」を変える。釣り場を変える。
ところが、思った通りの魚はなかなか釣れない。 そうした事の方が多い。
つまりは人生は思った通りに行くことの方が少ない。
そしてちょっぴりセンチメンタルになる。 うらめしく釣り場を見つめたりする。
それでも釣り心を持った男なら誰でもそう思い同じことをするものだ。
そこで考えて「えさ」を変える。釣り場を変える。
ところが、思った通りの魚はなかなか釣れない。 そうした事の方が多い。
つまりは人生は思った通りに行くことの方が少ない。
そしてちょっぴりセンチメンタルになる。 うらめしく釣り場を見つめたりする。
それでも釣り心を持った男なら誰でもそう思い同じことをするものだ。
説く(2)
釣魚大全を書いた英国のアイザック・ウォルトンは、妻を失い 子どもたちを失い 失望と落胆の人生を送った人でもある。
ウォルトンは、心の傷を癒すためだったのだろうか 釣りに没頭した。
人生の航路は、夢と希望を満載して港を出る。
人の航海は、荒れたり、嵐に吹き飛ばされたり、船は夢と希望の重みに耐えかね
積荷である希望を、夢を、嵐の中で少しずつ捨てていく。
捨てなければ船が沈んでしまうと思うから…。
辿りついた港には残ったわずかばかりの積荷と苦い時間がある。
そうして
エンプティボトル(空ビン)になった人生を送ることが多々ある。
ウォルトンは、心の傷を癒すためだったのだろうか 釣りに没頭した。
人生の航路は、夢と希望を満載して港を出る。
人の航海は、荒れたり、嵐に吹き飛ばされたり、船は夢と希望の重みに耐えかね
積荷である希望を、夢を、嵐の中で少しずつ捨てていく。
捨てなければ船が沈んでしまうと思うから…。
辿りついた港には残ったわずかばかりの積荷と苦い時間がある。
そうして
エンプティボトル(空ビン)になった人生を送ることが多々ある。