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自治体における健康づくり-役に立つ健康情報-

個人、企業、自治体が考えなければならないヘルスプロモーション

スポーツ人口のシニア化とウォーキング=身体の健康

熟年者のスポーツ実施率の推移や成人実施者に占める熟年者スポーツ実施割合を見ると、我が国のスポーツ人口のシニア化が始まっていることが分かります。
2006年の50歳以上人口(シニア層)実施率が1.0%以上の運動・スポーツ種目を取り上げると(図1参照)、21種目があげられ、順に「ウォーキング・散歩」43.3%、「体操(軽い体操・ラジオ体操など)」16.9%、「ゴルフ(コース)」9.5%、「ゴルフ(練習)」7.4%、「ボウリング」7.1%が上位を占める結果となっています。
これらの種目の成人実施者に占める50歳以上人口の割合についてみてみると、1996年データでは、上位5種目に「ゲートボール」82.6%、「登山」57.7%、「ハイキング」42.5%、「ウォーキング・散歩」37.4%、「体操(軽い体操・ラジオ体操など)」34.9%といった種目があげられています。 2006年データでも「ゲートボール」が最も高く(100%)、次いで「ハイキング」67.8%、「ゴルフ(コース)」63.6%、「ウォーキング・散歩」58.0%、「登山」56.8%となり、「ゴルフ(コース)」を除いて上位5つのうち4つは1996年と同じ種目となり、50歳以上(シニア層)でのこれらの種目への人気の高さがうかがえます。
図1の増減率を見ると、登山以外のすべての種目で、成人実施者に占める50歳以上人口の実施者割合は増加しています。特に、2006年には、「ゲートボール」、「ハイキング」、「ゴルフ(コース)」「ウォーキング・散歩」、「登山」、「体操(軽い体操・ラジオ体操など)」、「ゴルフ(練習場)」、「サイクリング」、「釣り」、「エアロビックダンス」の7種目で成人実施者に占める50歳以上人口の割合が50%を超えています。これは、これら7種目の実施者の2人に1人以上が熟年層の実施者を示しており、その種目のシニア実施者の増加により、成人実施率が上昇していると言えます。
どの種目においてどのくらい50歳以上人口の割合が増加したのかをみるために、成人実施者に占める50歳以上人口割合の変化を算出すると、変化%の高いものから「ゴルフ(コース)」36.1%、「ゴルフ(練習場)」35.0%と、ゴルフがともに30%以上の増加を示しており、続いて「ハイキング」25.3%、「エアロビックダンス」22.8%、「スキー」22.4%となっています。
1996年から2006年の間に、調査サンプル全体の50歳以上人口が15.1%増加していることから、図中破線にも示される15.1%ラインを超える変化%を観察した「ゴルフ(コース)」、「ゴルフ(練習場)」、「ハイキング」、「エアロビックダンス」、「スキー」、「体操(軽い体操・ラジオ体操など)」、「ウォーキング・散歩」、「サイクリング」、「ゲートボール」、「テニス(硬式)」の11種目は、この10年の間にシニア化が顕著にみられた種目といえます。

図-1

シニア層スポーツ実施率 各種目の成人実施者に占めるシニア実施者の割合 増減率
(種目別シニア参加比率)
1996(n=610) 2006(n=1006) 1996 2006 1996-2006
ウォーキング散歩 21.5 % 1 43.3 % 1 37.4 % 58.0 % 20.6 %
体操(軽い体操、ラジオ体操など) 17.2 % 2 16.9 % 2 34.9 % 56.7 % 21.8 %
ゴルフ(コース) 9.0 % 4 9.5 % 3 27.5 % 63.6 % 38.1 %
ゴルフ(練習) 7.2 % 7 7.4 % 4 20.2 % 55.2 % 35.0 %
ボウリング 7.5 % 6 7.1 % 5 12.8 % 25.7 % 12.9 %
ハイキング 7.9 % 5 5.9 % 6 42.5 % 67.8 % 25.3 %
釣り 9.5 % 3 5.4 % 7 29.0 % 42.5 % 13.5 %
サイクリング 4.4 % 12 4.9 % 8 26.7 % 45.0 % 18.3 %
水泳 6.7 % 8 4.9 % 9 17.3 % 35.0 % 17.7 %
登山 6.7 % 8 4.6 % 10 57.7 % 56.8 % -0.9 %
筋力トレーニング 2.6 % 17 4.5 % 11 18.2 % 28.7 % 10.5 %
ジョギング・ランニング 5.6 % 10 3.6 % 12 27.4 % 32.4 % 5.0 %
ソフトボール 4.8 % 11 2.8 % 13 19.7 % 32.2 % 12.5 %
卓球 3.8 % 13 2.6 % 14 23.0 % 30.2 % 7.2 %
ゲートボール 3.1 % 15 2.1 % 15 82.6 % 100.0 % 17.4 %
スキー 2.8 % 16 2.1 % 16 76.0 % 30.0 % 22.4 %
なわとび 3.4 % 14 1.6 % 17 21.2 % 24.6 % 3.4 %
エアロビックダンス 1.0 % 21 1.4 % 18 15.0 % 37.8 % 22.8 %
テニス(硬式テニス) 1.3 % 20 1.4 % 19 7.5 % 23.0 % 15.5 %
バドミントン 1.6 % 19 1.4 % 20 8.3 % 16.5 % 8.2 %
キャンプ 2.6 % 17 1.0 % 21 14.8 % 18.2 % 3.4 %

データ出典:公益財団法人 笹川スポーツ財団

加齢に伴うスポーツの「楽しさ」の成熟

下図は、実際にスポーツに参加している751人の熟年者に対し、「年齢が増すほどスポーツは楽しくなるか」という質問への回答とその内容についてまとめたものです。「年齢が増すほどスポーツは楽しくなる」と回答した者の割合は84%となり、その内容は12の楽しさの要素に集約することができます。これまで生涯スポーツへのイメージは、量だけでなく、内容的にも縮小していく先細り型のイメージが先行していましたが、スポーツの楽しさは加齢と共に膨らんでいく可能性を有していることが分かります。
また、その内容は、青年期におけるスポーツ活動では経験することができない多様な要素を含んでいます。熟年者を対象としたスポーツ振興においては、熟年者がスポーツから得られる楽しさの量と質について限定的に捉えるのではなく、楽しさの多様化や拡大、深化する可能性をベースにプログラムや事業を創造していくことが必要です。
加齢と共に成熟するスポーツの楽しさを引き出し、発想し、演出することのできる指導者や事業企画者のプロデュース能力が求められています。

加齢とともに膨らむスポーツの「楽しさ」の主要概念加齢とともに膨らむスポーツの「楽しさ」の主要概念
する プレーの感覚や実感 観る 他の参加者のプレー観戦による感動や発見
極める 技術や目標の達成 魅せる 自己のパフォーマンスへの他者からの注目と称賛
競う 同年代・多年代の参加者との競争 育てる 若年者や後輩に対する指導
集う チームメイトや他の参加者との交流 蘇る 昔の感覚への回顧と再現
学ぶ 新しい知識や技術の習得 癒す 日常性からの開放感
支える 他の参加者やチームへの応援 巡る スポーツ参加に伴う旅行・観光

加齢とともに膨らむスポーツの「楽しさ」の主要概念

地域住民の皆様の健康づくり、健康増進等の施策は自治体運営の大テーマ。
道を活用したウォーキングのご提案等、健康エビデンスに基づき対応いたします。

1000の道創生協議会 (NPO法人 新日本歩く道紀行推進機構内)
Tel 03-6206-9101 Fax 03-6206-8192
健康づくり支援担当:井上、渡邊

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