1. HOME
  2. みち旅100選
  3. 漁村文化に触れながら絵かきの町を歩く

漁村文化に触れながら絵かきの町を歩く

ピックアップスポット1 海の難所を照らす大王埼灯台

大王埼灯台の写真(写真出展:志摩市観光協会HPより)

遠州灘と熊野灘を二分するように立ち、岩礁や暗礁が多いため、昔から海の難所として知られる大王埼。「伊勢の神前、国崎の鎧、波切大王なけりゃよい」と詠われてきた大王埼で昭和2年10月5日に点灯を開始したのが大王埼灯台だ。太平洋戦争や伊勢湾台風など幾多の苦難をくぐり抜け、長年にわたって海の安全を見守り続けてきた白亜の灯台は大王埼のシンボルだ。ここでは一般の人でも灯台見学ができる(有料、中学生以上200円)。らせん階段を上って頂上へ上がると、目の前には太平洋の大海原が広がり、荒波が打ち寄せる断崖絶壁や漁村文化の残る波切地区の町並みを眼下に臨むことができる。

灯台ミュージアムの写真(写真出展:三重の文化-県内の博物館・資料館HPより)

平成22年3月には灯台ミュージアムが開設され、灯台の働きや歴史などをより分かりやすく学べるようになったので、訪れる際はこちらも見学したい。

ピックアップスポット2 かつお節の香りに惹かれて…

かつおの天ぱく鰹いぶし小屋の写真(写真出展:筆者撮影)

現在も漁業が盛んな大王町波切(なきり)地区では、獲れたてのカツオを使ったかつお節が名物となっている。波切のかつお節作りの歴史は古く、奈良時代の木簡にすでにその名を見ることができる。江戸時代になると「諸国鰹節番付表」なるものが発表されたが、波切節はここで行司役を務めるほどその味を認められていた。大王埼灯台へと続く海沿いの道を歩くとウバメガシの木で鰹をいぶす独特の香りが漂ってくるのが分かるだろう。現在も昔ながらの手火山製法でかつお節作る「かつおの天ぱく」では、鰹いぶし小屋の見学を受けて入れている(要予約、大人1,000円)。

天白幸明さんの写真(写真出展:筆者撮影)

主人の天白幸明さん自ら工房内を案内し、かつお節の歴史や作り方の説明を行った後、削り立てのかつお節を振る舞ってくれる。アツアツの土鍋炊きご飯にかつお節を混ぜたおかかご飯の美味しさは格別だ。

少し足を止め、地元自慢のグルメに目を向けてみてはいかがだろう? とっておきのお土産を手にすることができるはずだ。

ピックアップスポット3 石段や石垣が迷路のように入り組む

波切地区の写真(写真出展:志摩市観光協会HPより)

町歩きを進めるにつれ、波切地区には平地がほとんどなく、細い路地が迷路のように入り組み、石垣や石段が多いのに気付く。

大慈寺の石塀の写真(写真出展:三重県観光連盟HP「かんこうみえ」より)

ここはかつて石工で名をとどろかせた地区で、昭和の初め頃には300~500人もの石工が全国の築港現場などで活躍していた。数ある石積みの中でも見所は大慈寺の石塀。「波切の石工の祖」とされる林与吉の手により150年ほど前に作られたもので、丸みを帯びた石が隙間なく積み上げられた高い加工技術を今に見ることができる。大慈寺は花の名所として知られており、2月下旬から3月中旬には「てんれい桜(河津桜)」、6月には1500株もの紫陽花が境内に咲き乱れ、花にちなんだイベントも行われる。この時期に波切を訪れる人はこちらも要チェックだ。

また、およそ100年前に行われた波切漁港の大改修のおりにも石工たちがその技術を発揮、その石積みは今も漁港の岸壁を支えている。

ピックアップスポット4 絵かきの心を捉える美しい風景

白亜の灯台の写真(写真出展:志摩市観光協会HPより)

岩礁を照らす白亜の灯台、荒波によって浸食された複雑な地形、石垣が並ぶ入り組んだ町並み、今も残る漁村文化と見所の多い大王町は、昔から「絵かきの町」としても知られる。

大王大賞展の写真第10回大王大賞「月夜の夢」 増田 典彦さん
(写真出展:志摩市観光協会HPより)

大正2年に日本画家の土田麦遷が文部省美術展覧会に発表して以来、大王町は多くの画家達の心を捉え続けてきた。現在でもカンバスを広げ、絵筆を走らせる人の姿を町のそこここでよく見かける。また2年ごとに志摩市などが主催する絵画展「大王大賞展」も開催され、「志摩市絵かきの町・大王美術ギャラリー」では優秀作品の展示などを行っている。

ページトップ