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猫ちゃん
しのだひろえの歩っとタイム Vol.108

フルーツサンドと出会ったあの街へ~2022秋の銀座線散歩8~

ここまで渋谷から新橋まで8駅を歩いてきた。全19駅だから、あと少しで折り返し地点だ。ここまで休まず歩いてきたからかちょっと疲れたし「まだ半分来てないんだ」という気の重さも正直出てきた。

その日の体調や天候にも左右されるが、ウォーキング講師をしているといつまでも歩けると思われがちだが、私も人間なので疲れる。まだ余裕はあるが折り返し地点の京橋か日本橋あたりで休憩しよう、と決めてまずは銀座を目指して歩いた。

住所がないアノ場所へ

以前、銀座の橋の端めぐりでもご紹介した住所のないアノ場所を歩く。アノ場所とは、「銀座ナイン」。中央区銀座8丁目と港区の境界線にあり住所がハッキリしていない場所なのだが、名前はナイン(9)。「ここは銀座9丁目だ」と主張しているようで名に込められた思いがひしひし伝わってくる。江戸時代には川が流れていたから境界線の真上にあるわけだが、その事情を知っていると愛着がわくし、思わずニヤッとしてしまう。

銀座の中央通りの写真

土日は歩行者天国になる銀座の中央通りを歩く。歩行者天国ってすごく好き。ぶらぶら景色やビルを眺めながら歩けるし、みんな笑顔で歩いているんだから。きゃっきゃっいいながら走る子どもと追いかける親、手をつないで歩く人、いつもよりオシャレしていくつもの買い物バックをもって歩く人・・。歩行者天国では色々な幸せな姿をみることができる。やっぱり好きだ。

銀座駅の写真

ゆっくり歩いているうちに銀座駅に到着。

京橋でひとやすみ

銀座のにぎわいは特別だ。この日は休日だけあって歩道では向かってくる人をよけながら歩くから、ちょいとばかり気が張るのだが、ブランド店を通り抜け京橋に近づくと、少し人の流れも変わってくる。

東京スクエアガーデンの写真

京橋を渡りもともと市場だった京橋大根河岸青物市場跡の碑をこえれば、京橋駅はもうすぐだ。京橋も大開発により東京スクエアガーデンが建設され、駅周辺も大きく変化した。

京橋大根河岸青物市場跡については、こちらの記事もどうぞ。

楽しみは自分で見つけ、育てる~東京・銀座裏道さんぽ①~

以前、京橋には知る人ぞ知る店がいくつもあって、行き交う人の層も量も違ったし京橋という場所そのものが少しマニアックな場所だったと思う。静かな実力派がメジャーになってしまったようでなんだか寂しいし、あの当時の京橋がもっていた雰囲気は奥の路地を歩かないと分からないかもしれない。

明治屋の写真

写真は明治屋からの京橋駅の入り口。

ちなみにもう10年以上前だが、京橋に昔ながらの喫茶店があり90歳になろうかという主人がつくるフルーツサンドのランチが本当においしかった。イチゴがごろごろはいっていてパンがしっとりしていて、フルーツサンドなんていうハイカラな食べ物が好きになったのはここのおかげだ。赤いベロアのソファとその沈み具合、インベーダーゲームのテーブルとやや暗めの室内は今でも思い出され、とても懐かしい。京橋地区の再開発によって店は跡形もなくなり、当時のことを知る人も少ないのだろうが、私のフルーツサンドデビューは一生忘れることがない。

そんな私の想い出話で失礼。ただ街には、みちには、思い出が宿るのだ。昔歩いた街やみち、歩きながらみたあの景色は、何十年たっても思い出される。街やみちを歩くのは健康や楽しさだけではない、そんな一人一人の想い出の中に街やみちがあるからかもしれない。次回は日本橋にむかってレッツウォーク!

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