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猫ちゃん
しのだひろえの歩っとタイム Vol.19

心に余白が生まれる道~都電荒川線を歩く旅②~

都電荒川線・沿線案内の写真

歩くことを通じて日常にほっとするひとときをお届けする歩っとタイム。
前回に引き続き都電荒川線沿いを景色や人々の暮らし、街を楽しみながら歩きます。今回はあの巣鴨地蔵通りにほど近い庚申塚停留所までをレッツウォーク!

移り変わる街の景色

文豪たちに別れを告げて、都電雑司ヶ谷から次の東池袋四丁目停留所に足を向けます。池袋とつくだけで大都会の匂いがプンプン。雑司ヶ谷のカンカンカンカンという踏切音と電車が通り過ぎる音以外、歩く音しか聞こえないようなのどかでのんびりした風景が、少しづつ変わっていきます。

青い空の手前には高層ビルが見え始め、きっとこの先には人と車が激しく行きかう大通りがあるんだろうと匂わせるみちのり。それでもただただこうして歩いていると普段なら考えもしないようなことがふと心に沸いてきます。

  • むかし、海外旅行に行った時にもこういう誰もいない道をひとりで歩いたな
  • あのビルに何人くらい人が働いてるのかな
  • 高層ビルを建てる職人さんってすごいな

などなど。こんなこと、みなさんも歩きながらふと浮かびませんか?

ねこ会議に遭遇

東池袋四丁目停留所までは線路沿いを歩くことができずV字に遠回りして到着。東池袋四丁目近辺はサンシャインビルもあるので、やっぱり賑やかで都会を歩いているんだと感じさせられます。大通りを挟んで両脇に三ノ輪行きと早稲田行きのホームが見えてきました。

おや、同じホームなのにずいぶん雰囲気が違いますね。車通りが多い道を歩いたせいか、早稲田行のレールの雑草の緑がやけにいとおしい。ほっ、癒されます。

東池袋四丁目停留所の写真1
東池袋四丁目停留所の写真2
ねこ会議の写真

地図を見る限りでは、この先はほぼ線路沿いを歩けそう、よしよし歩くぞ・・わっ!ねこちゃん達が鋭いまなざしで私を見ているではありませんか!

目が・・怖い。都会のねこは“ちゃん”呼びなど許さない、縄張りに入ってくるなよといわんばかりの威嚇のまなざし。
(恐れ入ります。ただの通り過がりのものでして、ちょこっと目の前の道だけ通らせてください。)

ここは美しいバラの散歩道

向原停留所の写真

あれは井戸端会議か、いやねこ界の重要会議がされていたに違いありません。そんなねこ会議を通り過ぎて到着!向原停留所です。

線路沿いのバラの写真

向原から次の大塚駅前までは線路沿いに散歩道が続きますがこれがすごく素敵。線路沿いに美しいバラが咲き歩く旅をずっと応援してくれるんです。
歩いたのは10月。秋バラがちらほらと咲いていて、ついバラ越しに都電の車両を撮りたくなりますね。
青空の下、バラを眺めながらゆるゆる歩いているこの時間、あぁ~しあわせです。

大塚駅前停留所の写真

そしてバラが終わるころにちょうど大塚駅前停留所に到着です。

街のコントラストを感じる

さすがJR山手線のひとつである大塚駅近辺は人も多く飲食店も娯楽施設もあり賑やかです。
この大塚駅前停留所を後にし、巣鴨新田と庚申塚を目指します。

巣鴨新田に行く途中の写真

巣鴨新田に行く途中、都電荒川線の緑化計画でしょうか、緑を敷き詰めていました。

巣鴨新田停留所の写真

巣鴨新田に到着!下町の住宅街をくねくね歩いて少し道に迷いながらの到着です。

庚申塚停留所の写真

さらにてくてく住宅街を歩けば庚申塚に到着です。ホームに茶屋がある!?カフェではなく茶屋、これがいい感じです。

それほど大きな停留所ではないのに、なにやら人通りが多い。これは何かあるぞ!?いやきっと何かあるに違いない・・歩きっぱなしで疲れたし、身体が、心が、何か優しい甘みを求めています。人の流れに身をまかせ一緒に歩いてみます。

巣鴨地蔵通商店街の写真

・・と、あ、なんと!ここはかの有名な巣鴨地蔵通り商店街に続く道だったんですね。やったね!

庚申塚停留所からJR山の手線巣鴨駅まで続くのが有名な巣鴨地蔵通り商店街だと分かり、がぜんテンションがあがります。これはもうおいしそうな楽しそうなことでいっぱいな予感しかありません。よ~し、おばあちゃんの原宿をぶらぶらしにレッツゴー!

すがも史跡まっぷの写真

とても魅力的な巣鴨。巣鴨地蔵通り商店街の完全レポートは次号お届け致しますね。

心に余白が生まれる、それが歩く旅

都電雑司ヶ谷から庚申塚までの道のりには、池袋や大塚のように賑やかな街もあり、静かな佇まいの街もあり。沿線を歩くことで街のコントラストが見えてくる、これが面白いですね。グラデーションのように徐々に街並みが変わるところもあれば、パキっと街の雰囲気が変わるところもあり行きかう人も違うから、色々な街をいっぺんに楽しんでいるお得感や高揚感があります。

そして街や風景の移り変わりを肌で感じ、普段は思いつきもしないことがふと浮かんでくる、思わぬ好奇心がふと浮かんでくる。

こうして、浮かんでくる想い出や好奇心は、仕事のことで頭がいっぱいでは思いもつかないことばかり。きっとこれこそ心の余白の現れではないでしょうか。心に余白あれば忙しい中でも自分にも他人にも優しくいられる、思いやりをもっていられる、私はそう思います。

歩くことを通じて、心に余白を。そこからきっとより生活や人生が豊かになっていきます。さぁ一緒に歩きましょう。

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